『コラム』
- Citta
- 2023/06/10
「新たなスタートを切る新天地での想い」~教えて!むってぃーシリーズVol.1~
いわてグルージャ盛岡での3年間を終えて、FC琉球を新たなスタートの地として選んだ、牟田雄祐選手。
むってぃーのつぶやきシリーズから一転、”更に自分が経験した事や感じた事を発信していきたい”、という牟田選手の想いもあり、「教えて!むってぃーシリーズ」として、FC琉球で新たなサッカー人生を歩み始めた牟田雄祐選手のこれまでの経験や、これから描くサッカー人生を発信していく第一弾。
今回は、チームに合流して既に活躍をされている牟田さんに、現在の心境、今後のサッカー人生について伺いました。
はいさ~い!と変わらず元気な姿を画面越しに見せてくれた牟田さん。
インタビューをさせていただいた当時はまだチームに合流して間もないころだった。
ーー沖縄の生活には慣れましたか?
【牟田雄祐さん(以下敬称略)】そうですね。旅行で結構来ていたので、やっと住んでる実感が湧いてきました。
やっぱり暑さが今まで住んでいた場所とは違うので、体力の消耗には気をつけないといけないなと思っています。
琉球のチームメイトにも早速、“夏は本当に気を付けた方がいいよ”と言われましたね。
常に脱水状態になりやすいとの事とで、自分自身でも対策を考えているところです。
ーーさすがの牟田選手。早速自分自身の身体の声に耳を傾けている姿勢は、やはりプロ選手だ。
次へのチャンスを掴んだ感覚
ーーいわてグルージャ盛岡を離れた後、FC琉球に加入を決めるまでにどのような日々を過ごされていましたか?
【牟田】はい、契約満了を伝えられたのは最終節終わった後のスポンサーパーティーの時でした。
その時の率直な気持ちは、気持ちいい事ではないし、自分が今季やってきた事やこれまで3年間やってきた事に自信があったので、すぐに自分の中では納得は出来なかったのが正直なところですね。
でも、すぐに次に行くチャンスだと思いましたし、その様なチャンスをいただいたとへの感謝の気持ちもチームには最後伝えました。
一見ネガティブに思えますけど、大きなチャンスだなと捉えていました。
ーーそうなんですね。やはり、ネガティブに捉えがちになるのかなと思うのですが・・・
【牟田】でも、心のどこかで覚悟はしています。
常にそれは隣り合わせであって、あり得る事なのでね。
考えても仕方がないなと。
自分自身も次にいくタイミングなのかなと思ったので、ネガティブではなく、でも今まで残してきた自分の結果を考えると納得のいくものではなかったです。
ですが、自分が残してきたものに自信があったからこそ、チャンスだと思えましたね。
次のチームが決まるまではとにかく待つしかなかったですね。
やる事はやりましたし、当時怪我をしていた事もあって、しっかり治す事に集中していました。
直感ですが、自分自身でもいいオファーが必ず来るだろうという気持ちと、次のチャレンジも素晴らしいものになるだろうという想いが強くあったので、心配はしていなかったです。
それに私の妻も、やはりポジティブでいてくれて、次も楽しい出会いに絶対になると言ってくれた事も、更に自分に自信を持たせてくれました。
いわてグルージャ盛岡に移籍する時も、やはり最初は不安な気持ちはありましたが、行ってみていろんな出会いや素晴らしい経験がたくさんできたので、不安はやはりありましたが、素晴らしい出会いや経験が出来ると思って楽しみに過ごしていました。
今できる事をやる事に集中して待っていましたね。
必要とされる事の大切さ
ーーFC琉球に加入する決断に至った決め手はありましたか?
【牟田】欲しいって言ってもらえたからですね。
欲しいと言っていただいたところでプレーできる事が一番だと思ったので決めさせていただきました。
自分の力を求められる大切さや、求められる有難さを心から感じていたので、FC琉球の為に、自分の力を全て捧げようと思って覚悟を持っていました。
ーーFC琉球への牟田さんが持つイメージは?どんなチームでしょうか。
【牟田】攻撃的なチームのイメージがありました。
J3にいた時も攻撃力で圧倒していたイメージがありましたね。
沖縄のチームでなかなか関わる事はなく、試合のタイミングだけではありましたが、そのイメージが強かったですね。
ーーチームに合流した現在、率直にどんな気持ちですか?
【牟田】そうですね。
新しい環境、新しい仲間とか全てが新しいので、一から築くことはなかなか時間がかかることですし、すぐには出来ない事なので、自分を知ってもらいながら、私も周りを知りながらまだまだ手探りな日々です。
いわてグルージャ盛岡とは真逆の、攻撃に重きを置いたチームで、今までやってきたプレースタイルとは異なるので、自分自身も慣れながら、自分の良さをどう出していくかを日々考えています。
今まで自分がプロでやってきた中ではなかったチームの細かさがあって、こだわりのある監督さんですし、楽しい練習も多く、自分自身もこの練習を続けたら成長できるという実感があります。
ーー牟田さんお答えいただける範囲で構いません・・・どんな練習がありますか?
【牟田】そうですね。今までやってきた練習と真逆というか、大きく違いますね。
まず、ヘディングの回数が圧倒的に違います。(笑) 本当に違います。
私もいっぱいミスはしますが、たくさん学ぶ事があって、自分自身の伸びしろを感じられて充実した日々です。
“どんどん上手くなりたい”という気持ちが再び自分の中で湧き上がっています!
ーー初めて取り組む練習もありますか?
【牟田】そうですね。何よりボールに触れる回数が今までの倍以上あります。
走りのトレーニングだけで終わる事はなく、必ずボールに触れる練習がある形です。
ボールを使う練習に割く割合が多い練習構成ですね。
練習サイクルとしては、いわてグルージャ盛岡の時は午前午後の2部練習でしたが、FC琉球は午前中で練習は終わりで、その分質高く強度高くという形です。
ボールに触れている練習が多いので、毎回疲労感も大きいですが、同時に充実感も高く感じています。
ーー素晴らしいです!牟田選手の今までの経験をどの様にチームに還元していきたいと考えていますか?
【牟田】攻撃的ではあるけど、守備の部分も必ず必要なので、いわてグルージャ盛岡で学んだ守備も必ず活かせると思いますし、自分自身の特徴も出しやすいと考えています。
攻撃的な部分を自分は求められてこなかったので、そっちに考えが偏りがちですが、その中でも自分の特徴は忘れずに、短所を克服する事も大事ですが、長所や特徴は更に磨いていかないといけないと感じて2つのバランスは大事に考えています。
ーーチームメイトと馴染むためにどんな工夫をされていますか?
【牟田】そうですね、プレー中は良く話して、相手の意見を聞くことを大事にしています。
自然に、頑張りすぎずコミュニケーションを取るようにしています。
自分が心地よく過ごせるようにという事を意識していますね。
チームメイトの中に沖縄出身の選手で仲のいい選手がいるので、沖縄弁を教えてもらったり、沖縄のあるあるを聞いたりしています。
ーーそうなんですね!沖縄あるある1つ教えてください!
【牟田】結局ご飯食べるところは“沖縄そば”みたいな。(笑) 住んでみてそれは感じましたね。
自ら動く事で伝えられる事がある
ーーFC琉球は「地域に根差したスポーツクラブ」として、沖縄県全県をホームタウンとして活動されているとの事ですが、牟田さんはどの様な想いを持って活動に貢献していきたいとお考えですか?
【牟田】今までもそうですが、サッカーだけではなくて、サッカーを通して元気や勇気を与えないといけないと思っているので、試合に勝つのは大前提ですが、その先のスタジアム外の届かない部分で、積極的に交流やパワーを届けに行きたいと思っています。
自分たちの姿を通して元気になってもらったり、前向きな気持ちになってもらう事が1番の仕事だと思うので、まだまだ沖縄に来て間もないですが、自分自身でも新たな活動や今までもやっているボールを寄付する活動を引き続きやっていきたいですし、サッカーに限らずスポーツの素晴らしさを届けたいと思っています。
ーー牟田さんが取り組まれている、サッカーボールを寄付する取組み(PARKプロジェクト)については、過去のインタビューで詳しく伺っています。(下記のタイトルよりインタビュー記事にリンクします)
⇒「牟田雄祐さん Cittaインタビュー」
ーーこれからの自分自身にどのような期待をしていますか?
【牟田】チームで一番成長したと思われたいですね。
自分が気付けなかった良さや課題を新たに発見できているので、まだまだ自分自身成長できるという姿をベテランになってきている自分が見せていく事も自分の仕事だと思っています。
1年間通して、いろいろな役割の中で今の若い選手が見て恥ずかしくない姿勢を見せていきたいと思います。
ですが、ベテランだからといって歳を理由にしたくないし、まだまだ若手に負けたくないので、動ける・やれる自分を見せたいですね。
やり続ける事を大事にしていきたいです。
ーーこれからの自分自身にどのような期待をしていますか?
【牟田】牟田雄祐として新たに挑戦したい事はありますか?
PARKプロジェクトの活動については変わらずボールの寄付を続けていきます。
ボールも溜まっているので、沖縄県の各地に届けに行きたいですね。
一つのイベントがあれば、子ども達も楽しみにしてくれると思っています。
今後はこどもだけではなく、老人ホームへ行って交流をしたい気持ちもありますし、様々な場所で自分の活動がマッチしていく事で、面白い化学反応が起きてもっと多くの方が元気になってもらえるのではと考えています。
PARKプロジェクトはアフリカと日本を繋いでいますし、国内で赤ちゃんとおじいちゃんおばあちゃんとか、子ども達と農業とか・・・。
子ども達に多くの経験をさせてあげたいと強く感じています。
自分自身もやった事のない事をやってみたい気持ちがあるので、多くの子ども達にそういった機会を作って視野を広げて欲しいなと思っています。
まずは自分が動く事からと思っていて、実際に農家の方と知り合って今後少しずつ農家を手伝おうと思っています!
サッカー×○○で自分自身もいろんな出会いや学びが自分自身を成長させてくれると思っています。
自分が体験してみてどう感じるか、そこから子ども達やいろんな方にどう還元できるかはまだまだ先ですが、今は農業に興味を持ってチャレンジしたいと思っています。
沖縄の野菜とっても美味しいですよ!太陽一杯浴びているな~と感じます。
自分史上一番美味しいピーマンにも出会えました!
生でも食べられるし、細かいところに気を配っているお野菜で、愛情を感じましたね。
志を持ってやり続ける
ーー牟田選手の今期の目標をお聞かせください!
【牟田】どんなことがあっても”やり続けること”ですね。
今までにやってきたことを足かせにせずに、もう一度自分が成長する為に努力する事や、姿勢でまた違った自分を皆さんに見せたいです。
ーー素晴らしいです!牟田さんはやっぱり向上心の塊だと思います
【牟田】あはは。やっぱり常にうまくなりたいし、褒められたいです。
みんなに「ナイス」って言われたいし、やっぱり「サッカーが好き」だから、自分が活躍する姿をみんなが喜んでくれることも嬉しいですし、その姿を思い浮かべたらどんな辛い事でも乗り越えられるし、毎日全力でやり切れると思っています。
どんなことがあってもやり続ける事が自分の為にもなるし、周りの為にもなると思って大事にしています。
ーー牟田さん、ありがとうございました!
次回の教えて!むってぃーシリーズVol.2は、牟田選手を強くする秘訣「トレーニング編」と題して、牟田選手の強さを作るトレーニングを教えていただきます。
次回もお楽しみに。
PROFILE
FC琉球 牟田雄祐
サッカーJ3リーグ所属 FC琉球
KSNサポートアスリート
小学生からサッカーを始め、大学卒業後2013年からJリーグ、名古屋グランパスに入団。2年間の経験後、京都サンガF.C.に入団し、所属中に期限付き移籍でFC今治でもシーズン通して活躍。2020年から現在所属のいわてグルージャ盛岡へ移籍。
昨シーズンはキャプテンとして、チームのJ2昇格に大きく貢献した。
今年契約満了でいわてグルージャ盛岡を離れ、新天地FC琉球で新たなサッカー人生をスタートした。
選手活動に加え、Game Changer Pass-A-Ball Projectの活動もおこない、子どもたちの支援活動を精力的に行う。
⇒Game Changer Pass-A-Ball Project