『コラム』
- ラグスタ株式会社
- 2021/07/11
タッチラグビー日本代表夫婦 矢後大地さん・矢後江瑠さん【Cittaインタビュー】Vol.2
ご夫婦揃って現役タッチラグビー日本代表、矢後大地さん、江瑠さんにインタビュー。
Vol.2では、選手と家庭との両立と今後のタッチラグビーの展望についてお話いただきました。
現役の選手を続けることでタッチラグビー界に影響を与え続けたい
ーー現役選手として目指すものはなんですか?お二人の目標と個人目標をお聞かせください。
【矢後大地選手(以下敬称略)】留学から帰ってきてから自分でチームを作ったこともそうですが、学生で終わらず、社会人になっても続けられるような環境を作ることに力を入れていて、もっとタッチラグビーを知ってもらう為にも、クラブチームとしての姿を発信できるようにしたいと思うし、チームの作り方や組織の作り方の道しるべになりたいです。
タッチラグビー界がもっと盛り上がるようにと、競技でやっている人たちが楽しめる環境作りを、1プレーヤーの立場としてできる事を増やして盛り上げていきたいですね。
プレーヤーとしては、世界中の年齢関係なく上手い選手が集まるカテゴリーで2023年もう一度世界と勝負したいです!
【矢後江瑠選手(以下敬称略)】ママさんで日本代表としてワールドカップに出場した選手は近年いないということもありますが、競技から離れてしまうママさんが多い中でも、私が競技から離れずに居続けることで、周りにいるママさん達も続けられる環境や雰囲気を作りたいし、ママさんアスリートとしての姿を示す存在でありたいです。
そしてワールドカップに行って金メダルを取ること<です!
【大地】2人のというか、家族としての目標ですが、前例のないものをやろうとする人って少ないと思うんです。
なので、選手として発信力のある彼女には、出産して復帰して、“自分で競技を辞めない”ということを示して欲しかった。
趣味の範囲の中なので女性は特に結婚とか、子供がいるから、子育てなどいくらでも辞める理由とタイミングがあると思うし、僕も家庭があるからなど理由はいくらでもあるし、チームのみんなも理解して応援してくれるから辞めることは簡単にできると思うけど、そうじゃなくて“やる理由を”1つ見つけないといけないと思って、
だから彼女にはそういう事例になって、女性でもタッチラグビーを続けられる環境を作って欲しいと思っていますし、家庭を持って続けている人は少ない中だけど、僕らの周りにも少なからずいたので、僕らも続けられたと思っているし、社会人になっても続けられる環境作りを自分たちで考えて進めていったら、代表メンバーのほとんどが社会人という形に今変わってきているように、家庭を持ってもお互いに選手として世界が目指せるんだよ!っていう1つの新しい事例に私たち家族がなって示していきたいですね。
出産前から目指すものは変わらない。家族、周りの環境が支えてくれていること
ーー江瑠さんにお伺いします。出産を経験されて、競技復帰はどのくらいでされましたか?復帰しようとは最初から思っていましたか?
【江瑠】3月に出産して約3ヶ月で復帰しました。
子供は絶対欲しいと思って出産のタイミングを考えたとき、2023年のワールドカップに出たいというのもあって、出産して頑張ればいいか!と思ったので、復帰することは大前提でしたね!
ーーなるほど、凄いです。復帰までに苦労した事や、現在の子育てと選手との両立はどうですか?
【江瑠】両立に関しては、できているなと思っています。今もこうやって試合や練習に参加出来ているように、旦那さんの理解や身内の協力や周りの環境もあって、自由に出来ている事もたくさんあるし、有難いなと思っています。
【大地】コロナ禍で自粛していた時期にちょうど子供が生まれて、僕も仕事が休みになったこともあって、家にいることもできたし、2人で子育てとトレーニングを一緒に頑張る事が2、3ヶ月出来て、妻もよく頑張ったという事もあるし、コロナ禍のタイミングが子育てや復帰の準備をする面で考えるとすごく良かったなと思います。
ーー江瑠さんは体力的にどうでしたか?戻すのも大変だったんじゃないですか?
【江瑠】本当に自粛中毎日動いていて、元々、運動が大好きだから、妊娠、出産して動けない時期のほうがつらかったですね。
早く動きたいって思っていたので、始めるのも問題なかったですし、いろいろ旦那さんとアイディア出しながら取り組めていました。
ですが、簡単な動作はできていましたが、競技の動きや感覚が鈍っていたのがショックだったし、戻すのに苦労しました。あまりできないと思ったことが今までなかったので、パスすらできなくなっていたから本当焦ったし、落ち込みましたね。あとは体的な事を言うと、授乳もあって痛みやその時のキツさはありました。
【大地】出産してこんなにも感覚って変わるんやな~と純粋に出産することって大変やし、凄いことだなと思いましたね。
【江瑠】そうだね(笑)でも、そうやって日々動くことをしていた分、動きを覚えていたし、復帰も早く出来たなと思っています。元々5月の大会で復帰したい目標があったからできたことだなと思います。
ーーなるほど。子育ても、復帰も前向きに捉えて取り組まれていたんですね。素晴らしいです!では、そんなお二人ならではの子育て方法等あれば教えてください。
【大地】そうですね…。積極的に周りに預ける。(笑)
【江瑠】あはは!!(笑)
【大地】自分たちでやりすぎないようにとは心がけています。
生まれる前妻は、子育ては2人でやるもんでしょ!って言っていて、僕と言い合いになったこともありますが、
いやいや、そこは周りに頼ってこそやろ!と。
子育ての為に自分たちを犠牲にはしすぎないという事は思っています。
今後はもちろん優先すべき事は出てくると思いますが、自分たちの子供だからって全て尊重する事はせずに、家族全員が自分の人生を大事にしてほしいって思っていますね。
【江瑠】子供には、私たちについていったら楽しい事が出来るって思ってほしいから、今は、タッチラグビーの会場にいっぱい連れて行って、色んな人に遊んでもらって色んな環境にふれて成長してほしいなって思います。
【大地】そうそう。家族全員が幸せになれればいいなと思っていますね。その為の選択をしていきたいです。
タッチラグビーが生涯スポーツとして、人生を豊かにする為の選択肢になって欲しい
ーータッチラグビーが今後、どのように広がっていってほしいですか? また、タッチラグビーをはじめ、運動スポーツに今後どんな可能性を感じますか?
【大地・江瑠】タッチラグビーの競技人口が増える事だけではなくて、タッチラグビーを知っている人が増えればいいなと思っていますね。
そうなって、タッチラグビーなら出来るかなとか、純粋に楽しいなって、タッチラグビーを生涯スポーツとして人生を豊かにする為に取り入れる人が増えたらいいなと思います。
【大地】人生100年時代と言われている中、スポーツ=しんどいとかスパルタみたいにイメージを持ってる人が多いけど、スポーツを熱くやるのも遊びでやるのも、運動・スポーツだと思うし、70、80歳になっても、運動・スポーツをすることによって「楽しい、幸せ」と思うきっかけであってほしいし、人生が豊かになるツールに運動・スポーツがあればいいなと思います。
【江瑠】運動・スポーツはコミュニティを作る場を提供してくれるものだと思います。家庭や職場とは別にそういった場所があれば、息抜きや新しい楽しみの場所にもなると思っています。
私もこうやってタッチラグビーを通してたくさんの人、仲間に出会えて楽しい人生を送れています!
ーー最後に、大地さん、これから運動やスポーツを始める方にメッセージをお願いします!江瑠さんはママさんの立場として運動を始めたいなというママさんに向けてお願いします!
【大地】スポーツだけに限らず、新しいことを始めることはできないことが当たり前だと思うので、初心者の時を楽しむことが大事かなと思います。
新しい事は知らないことばかりだから自分の知識にもなるし、はじめから高い目標を立てるのではなくて、目の前の小さい目標が達成出来たり、誰かから褒められたりという事の積み重ねをする事で楽しみながら、振り返りながら自分のペースでスポーツができるといい思います!
【江瑠】子供がいることが負担になる事がもちろんあると思いますが、子供と一緒にできることを探したり、子供がいるからこそ周りの人と話しができたり、子供を通してたくさんの人と繋がれるきっかけにも運動やスポーツなど何かを始めることはなると思っているので、子供を味方につけて楽しんでいきましょう!
二人のお話から、タッチラグビーが『生涯スポーツ』として人生を幸せで豊かにする選択の1つになって欲しいという強い想いを伺うことができました。
これからもお二人が選手そして家族として、タッチラグビー界、スポーツ業界でご活躍されることを、Cittaも全力で応援していきます!
また、タッチラグビーをする方必見のトレーニング動画も今後配信されますのでお楽しみに!
PROFILE
矢後大地&矢後江瑠
夫婦でタッチラグビー日本代表選手。大地さんは、自身で設立した東京タッチジャンキースを日本選手権優勝常連チームに成長させ、現在は若手選手育成やタッチラグビーの普及にも貢献。江瑠さんは、日本選手権連覇を続ける所属チームBOOSのキャプテンも担う。現在は1児の母として現役で競技に取り組むママさんアスリート。 家族全員が目指すは、2023年のワールドカップ金メダル。今後の活躍が期待される。