『コラム』
- ラグスタ株式会社
- 2021/07/15
ビジョントレーニングとは
近年、スマホやパソコンの普及により画面を見る時間が増えていることが、スポーツパフォーマンスに悪影響を及ぼすのではないかと懸念されているさなか、コロナ禍の外出自粛でさらにこの問題に追い打ちをかけることは言うまでもありません。
スポーツでは、静止力、動体視力、瞬間視、周辺視、深視力などがあります。
これらにわずかな狂いが生じだけでミスに繋がります。
特に、今問題視されているスマホやパソコン、テレビなどの画面(平面)からの情報量は、3D(立体)よりも極めて少ないことは明らかです。
五感を通じて収集される情報量の中で、視覚から入ってくる情報量は全体の80%を占めていると言われています。
昔は現在に比べると、目に問題を持つ人は少なかったのかも知れません。
しかし、今は80%を占める視覚の質が衰えてきている訳ですから、当然何らかの弊害が出てきてもおかしくはないでしょう。
このコラムでは、スポーツビジョンを強化する内容が記載されていますの で、是非試してみてください。
ビジョントレーニングとは
ビジョントレーニングとは、見る能力を養うトレーニングを意味します。
例えば、
- 止まっている物体を見る能力
- 上下左右に動く物体を見る能力
- 向かってくる物体や遠ざかる物体を見る能力
- 瞬時に物体を見極める能力
- 見たものに対して素早く反応する能力
などスポーツでは必要不可欠であることは間違いありません。
しかし、一概に「見る」と言ってもどのレベルで見ているのかが問題です。
眼鏡に例えると、光と熱が一点に集中するほど見て いるのか?それともただボーっと見ているのかなど、どの位置にいるのかで能力発揮には大きな差となって現れるでしょう。
ビジョントレーニングを始める前に、まず一点に集中する感覚を研ぎ澄ますことが大切です。
宮本武蔵もビジョントレーニング
必勝哲学とも呼ばれていて、海外でも有名な宮本武蔵の五輪書「空之巻」にその言葉が記されています。
「心意二つの心を磨き」「観見二つの眼を研く」
前者は心の中に存在する二つの意、すなわち「意思」と「意識」です。つまり、自らの意思でそうしたいと思って、意識(集中)して実行しているかどうかです。
後者は、「心の眼」と「実際の眼」です。つまり、イメージ力と視力を鍛えなさいということです。
当然、戦国時代に生きた人ですから、やるかやられるかの世界です。
イメージ=気配、視力=瞬間視、動体視力などで す。しかも戦いながらその能力を発揮する訳ですから、今で言うとトップアスリートです。
スポーツビジョンの奥義
スポーツでは目で捉えた情報を瞬時に次の判断や動作に結びつける能力が必要です。
しかし、その能力には「情報処理能力」と「情報処理スピード」の二つの要素が必要不可欠です。
例えば、計算はできるけど時間がかかる。多くのスポーツ選手たちは情報を処理する能力はあってもスピードが遅い。そこがトップ選手との大きな違いなのです。
次に特に重要なポイントになりますが、イメージ力(心の眼)です。
先述したようにイメージとは「未来を読む力」、つまり、相手が次にどんなことを仕掛けてくるかが分かる(気配を感じる)直感です。
この能力を身に付けることがトップアスリートへの近道と言えるくらい重要になります。
このイメージ力を身に付けるには、右脳(イメージ脳)を刺激するトレーニングが必要です。
余談ではありますが、現在は3Dの本があります。平面時代の世の中、あの本が物体を立体的に捉える最高のビジョントレーニングになるとは誰も思わなかったことでしょう。
ビジョントレーニングの効果
ビジョントレーニングの効果は研究でも実証されています。しかし、選手自身がもっと上手くなりたい!と言う意思がまずは必要です。
うまくなりたいなどの向上心がなければ結果に結びつけるのは厳しいでしょう。単にやっただけで終わってしまいます。
そして、実際の視力も大切ですが、イメージ力(心の眼)を研くトレーニングも同時に取り入れることで競技能力は飛躍的に伸びることでしょう。
ビジョントレーニングの方法
ビジョン情報処理スピードトレーニング
- 二人一組になりテニスボールを1球ずつ持ちます。
- 1mほど離れて同時にボールをトスし、両手でキャッチして右手でパスします。
- スムーズにできるようになったらボールを3球に増やします。(両手キャッチ右手パスは継続)
徐々にテンポが速くなってくると思います。
3個がスムーズにできるようになったら4個に増やします。4個の次は5個。最低でも4個ができるようになれば動体視力以外にも全身の筋肉が速い動きに対応できるようになります。
イメージビジョントレーニング
株式会社シンパシィ・ユニオン会長の長谷川一彌さんが大脳生理学をベースに開発されたイメージカード(集中カード)です。
- 真ん中の点に 20 秒間意識の焦点を合わせます。
- 20秒後、目を閉じます。
まぶたの後ろに残像が映るかと思います。これは網膜を通じて右脳の視覚領にイメージとして映りだされる現象です。
して、カードの色が持つ固有の周波数が脳の集中波が持つ周波数と同調し集中力を身に付けることができる優れものです。
更に、集中力が高まってくるとカードを持っている手や周りの家具まで映るようになります。この時、周辺視が身に付き周りの状態がしっかり把握できる能力が身についています。
遠近ビジョントレーニング
- まず親指の爪にマジックで点を書きます。
- 次に遠くの物体(消火栓)にピントを合わせます。
- さっと 爪の点にピントを合わせます。
ぼやけてから徐々にピントが合ってくようであれば、テニスや野球など近づいて来るボールに対してピントが合っていないためミスの確立が高くなります。
手元から遠くのピントが合わない場合、打った後に安心して集中が途切れるタイプです。
遠くから手元、手元から遠くへ一瞬でピントが合うまで継続しましょう。
3Dアイトレーニング
絵の向こうに焦点を合わせて立体画像が浮き出てくるまで続けます。
ハートが出てきましたか?立体画像を視覚から取り込むことによって脳が捉える情報量が平面より増え日常生活、仕事、スポーツの効率が格段に向上することが期待できます。
まとめ
今回紹介したトレーニングのように「見る」と言ってもこれだけの要素を踏まえてビジョントレーニングを練習に取り入れるだけで飛躍的に運動能力が上がることでしょう。
是非お試しください。