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『コラム』

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Citta
2021/11/01

フィンスイミング日本代表 山階早姫さん【Cittaインタビュー】

フィンスイミング日本代表でとして活躍をしている、山階早姫(やましなさき)さんにお話しを伺いました!

フィンスイミングは最近テレビでも芸人さんが大会に出場して話題になりましたよね!
山階さんも指導者として関わっていらっしゃったとか・・・。

フィンスイミングは、足ヒレを使用して水面・水中を進むスポーツです。
フィンにはビーフィン(片方ずつ履く2枚フィン)と、モノフィン(両足揃えて履く1枚フィン)があります。

フィンスイミング日本代表山階早姫さんインタビュー

水中で自己最高速度を味わえるスポーツ

ーー山階さんは大きなフィン(モノフィン)を使って競技をされているんですよね?

【山階早姫さん(以下敬称略)】今はそうです!
2012年からフィンスイミング始めて13年の世界大会までは、片方ずつ履く2枚フィン(ビーフィン)で泳いでいたんですが、日本チームがモノフィンでリレーを組んでいて、過去インターハイにリレーで出たこともあってリレーに強い想い入れがあったこともあり、“リレー出たい!”ってことでリレー出る為に大きなフィンに変えました!笑

 

2枚のフィンで日本記録出した時より、大きなフィンで3番になった時の方が嬉しかったです。
“やったー!リレー出れる!”みたいな。笑

ーーあはは!そんな感じだったんですね!

【山階】フィンスイミングは、競泳選手だったから上手くできる、速い訳ではなくて、水泳めっちゃ速くなくてもフィンで代表になっている方はたくさんいるんです。

フィンの代表になって6.7年目くらいに“私、フィン得意なんや!”って気づきましたね!(笑)

 

ーーそうだったんですね!山階さんは生後8ヶ月からプールで泳いでいたんですよね?

【山階】はい!でもその時の事は全く覚えていません!(笑)
夜泣きが酷かったので、昼間に疲れさせてみようという母の作戦だったみたいです。

フィンスイミング日本代表山階早姫さんインタビュー

オリンピックを目指す旅路。競泳人生を振り返る

ーーそこから大学生まで水泳を続けられてきたわけですが、これまでどんな経験をされてきましたか?

【山階】小学4年生で始めて全国大会に出場して、6年生の時に初優勝をしました。
そこからはトップスイマーを目指して、毎月出る雑誌で情報を集めて勉強をしたり、同年代や少し上の選手をチェックする事は欠かさなかったですね!あの時は完全なるスイマーオタクでしたね。

中学校の頃は足のケガと付き合いながらでしたが、毎日練習が当たり前な毎日を過ごしていました。
3年生の決勝は2種目で6番に入る事が出来て、このままいけば高校1年のアテネ選考で2番に入ってこのままオリンピックに出られるっていう自信がありました。
3年生の時はいわゆる“向かうところ敵なし”って感じで無双状態でしたね。笑

フィンスイミング日本代表山階早姫さんインタビュー

環境の変化に苦労する日々

ーーそこから環境の変化を選んだんですよね?

【山階】はい。でも、高校生の時始めてスランプを経験しました。
前年の結果より悪くなる、ベストタイムも更新できず、トントン拍子に行かない事を痛感しました。

今までとは違う環境の変化に対応できず、辛い3年間でした。
でも、同じものを目標にしている仲間もいっぱい出来たし、コーチ、先生、家族の応援もあって乗り越えられましたね。

大学は地元からは更に離れた所で、学校に行って練習をする日々の繰り返しでしたね。ようやったな~と振り返ると思います。

その時は何かを変える変化が怖くて環境を変えずにやっていましたが、1年生の頃は全然結果が出ませんでした。
周りの環境にも馴染めなくて、仲間との関係作りにも苦労しましたね。
結果出ないのに大会に出る意味が分からなくなって、一番水泳を辞めたいと思った時期ですね。しんどかったです。(笑)

人生の転機

フィンスイミング日本代表山階早姫さんインタビュー
 

ーーなるほど。そこで再びオリンピックの選考会にチャレンジされたんですよね?

【山階】2年生の始めに北京五輪の選考会があって、アテネ選考会の時よりも全然チャンスがないな~と思って出ていたのを覚えています。
その後にジャパンオープンに出場して、そこで種目を変えてみることにしたんです。

ずっと個人メドレーでやってきたので“これじゃなきゃ自分じゃない!”みたいなこだわりがありましたが、そこでの挫折を経験してきたので、心機一転、コーチの後押しもあって、200ⅿの自由形にチャレンジをしたらベストが出たんです!

そこから関西の大会で2番になり、そのタイムが北京の4番目のタイムだったことに気づいて、“そこまで自分がまた戻ってきたんや!”って素直に嬉しくて、そこからクロールに転向する事を決めました。

大学3年生の日本選手権で決勝に残る事ができてから、4年生最後の日本選手権でも2種目両方決勝で入賞できて、あと1年でロンドン五輪の選考会って所まで来たので、私自身ももう一回頑張りたい!と思って、内定先も全てお断りをして、サポートしてくださる企業もあり、セミプロという形でオリンピックを目指してチャレンジをしました。

 

ーー今は高校講師としても働いていらっしゃいますが、当時資格取るの大変ではなかったですか?

【山階】元々教員になる気はなかったですが、社会科は免許がいっぱいあって、部活もしながら詰め詰めのカリキュラムで結構苦労して地理歴史の教員免許は取りましたね。大学卒業後に泳ぐ事しかやることがなくなって、時間を有効に使いたくて、新たに教員免許を取りました。

でも同時にその時間で、自分だけの水泳ではない事をめちゃくちゃ重く考えてしまって、悪循環でタイムもどんどん落ちていくようになってしまって、ただただ苦しい1年間を過ごしていました。
最後もお水に入る事も嫌になってしまって、プールを見るのも嫌でしたね。

自分の為の競技に戻れた。それがフィンスイミング

フィンスイミング日本代表山階早姫さんインタビュー
 

ーー競泳から離れられてからフィンスイミングに出会ったきっかけはなんですか?

【山階】辞めてしまって何もやる事がなくなってしまったときに、せっかく取った教員免許もあるから使うかっ!と講師免許を取って、地元の私立で採用が決まったタイミングで、フィンスイミングをやっている先輩からフィンスイミングやってみ~ひんか?っていう誘いがありました。

実は前から誘われていたんですが、このままの気持ちで終わるのはもったいないと先輩の言葉もあり、体験会に行った事がきっかけです。

練習も競泳に比べ毎日やるわけではなく、自分が無理ない範囲で楽しく続けられたらいいやん!っていう言葉にも乗せられ、騙されたみたいに大会もエントリーされていました。(笑)
フィンスイミングと教員デビューは一緒のタイミングでしたね。

 
フィンスイミング日本代表山階早姫さんインタビュー
 

ーーフィンスイミング日本代表になったのは始められてすぐでしたか?

【山階】そのエントリーされて出た日本選手権で、200ⅿで日本記録を出せて、当時は競技の事も分からずで凄いことをしたことさえも分からなくて・・・(笑)最優秀選手になるというデビューでした。

それは素直に楽しくて、日本記録出せたという、思い出で終わるつもりで当時は続けることは考えず、ちゃんと働こうと思っていたのですが、日の丸を背負ってアジア大会に出れる、競泳の時に叶えたくても叶えられなかった、日本代表として戦う事が違う形でも叶えられるという事もあって、一回チャレンジしてみようと、アジア大会に出ました。

そこでメダルが取れて、表彰台乗せてもらって、日本国旗が上がったことが素直に嬉しかったし、アスリートをやってきたので続けるからには、上を目指してやろうってことで、今までやってきたという感じです。(笑)

フィンスイミング日本代表山階早姫さんインタビュー

道具を使う奥深さがフィンスイミングの魅力

ーーフィンスイミングの魅力って何でしょうか。

【山階】一番は自己最高速度を味わえるスピードですね。
あとは、道具を使う奥深さがあります。使う道具によって泳ぎ方を変えないといけなくて、使う道具によって出るスピード、合う距離も変わってくるんです。年齢と共に変化する自分のカラダに合ったフィンを選ぶことで、年齢が上がったとしてもまだ自分を高められるっていう奥深さですね。

競泳とは違って、経験がものをいうところが大きくて、自分の事を良く分かって、道具とも分かり合える事が強さにも繋がると思っています。

ーー練習の時はどんなことを意識していますか?

【山階】フィンを履いて行う練習も数が限られているので、毎回緊張感を持って挑んでいますね。
あとは、水の感覚が鈍らないようにしていますね。今は週3回お水に入っているので、感覚を大切にしています。
自粛期間中は、さすがに入れない時間が多かったのでお風呂でそれをやってました!(笑)

 

ーー自粛期間中、コンディションを維持することが難しかったと思いますが、他にどんなことをされていましたか?

【山階】そうですね。単純に暴飲暴食をしない事と、どんな自分になりたいか想像して心を整える事、トレーニングも出来る範囲でおこなっていました。

泳ぐこと以外にも私にできる事がある

ーー教員として働きながら競技をされていますが、両立している事でプラスになっている事、逆に苦労されている事はありますか?

【山階】苦労している事はあまりなくて、申し訳ないと思うのは、遠征に飛ぶとなったら学校の時間割も変えてもらわないとなのでそこが申し訳ないです。

教員と競技は全然畑違いのところにあるから、自分のやっている事に興味を持ってくれる生徒もいて、自分のやっている事を外に発信できる場所がある事に感謝していますし、生徒たちを見て、違う分野でも同じ志を持って取り組んでいる姿を見ると刺激をもらって、めちゃくちゃ視野・思考が広がりますね!

 

ーーなるほど~!働きながら競技者として進化し続けられる原動力はなんでしょうか。

【山階】確実にフィンスイミングをいろんな方に知ってもらえて、自分の価値が上がった気がしていて、いろんな方に取材して頂いたり、テレビに出たり、商品を使わせてもらったり、いろんな機会を与えてくれるツールなので、失うのが怖いというのがあるのと、“楽しい”が根本にありますが、自分の人生で真剣になってやれるものが常に人生に付いてきたので、それを失うのが怖い、自分を維持・進化させたい気持ちが原動力ですね。

年代によっても目指せる場所があるのも、長く続けられる競技だなって感じます。70代の方でも体験会に来てくださっていますよ!

それはすごいですね!まだまだ長くできますね!

【山階】あはは!そうですね!できる限りでチャレンジしたいです。

サポートいただいているKSN(KyotoSporesNutrition)さんのサプリメントにも助けて頂いています!
試合時にはこの“Lifeline”というゼリーを3.4本持って試合に臨みますね。レースが続いて体重たいな~とか疲れてるな~って時に飲みますが、すぐ元気になるくらい効果を早く感じる即効性があります。
牡蠣エキスを抽出したものが入っていて、その他疲労回復に効果的な成分が含まれていますが、天然由来の成分で出来てるので、妊婦さんでも飲めたりとか、安心して使わせてもらっています!

フィンスイミング日本代表山階早姫さんインタビュー

女性だから・・という概念を崩したい。女性アスリートとして伝えていきたい事

ーー女性アスリートとして伝えていきたい事、担っていきたい事はなんでしょうか。
現在インテグロ(株)アンバサダーとして活動されている事も教えてください。

フィンスイミング日本代表山階早姫さんインタビュー

【山階】インテグロアンバサダーとして「月経カップ」の事をまず知っていただく為にイベントに参加したり、私も愛用者として個人のSNSでも発信をさせてもらっています。

 

ーー「月経カップ」はどんなものですか?

【山階】ナプキンやタンポンに変わる新しい生理用品です。
シリコン製のカップでこれを膣内に入れて経血をカップ内に溜めるというものです。一定量溜まったら捨ててまた繰り返し使える、ごみも出ないし環境にも優しいアイテムです!

医療用シリコンで出来ているのでカラダにも安心で、密閉されているから整理独特なニオイもなくて、ナプキンやタンポンで感じる不快感もなくて、生理を忘れるくらいストレスフリーになりますね!
今は競技者とかではなくて、一般女性でも特にママさんが増えていて利用者も多くなっているみたいです。
アンバサダーの活動を通して、生理について他の方とも情報交換も出来るようになってよかったなと思います。

フィンスイミング日本代表山階早姫さんインタビュー

普段お仕事で使っているという埴輪の指サックで大きさを伝えていただきました!

 

ーー今後アンバサダーとしてやりたい事はありますか?

【山階】まずは広めることが1番だなと思っています。地球にいい事で何ができるかな~と考えながら連携をして広げていきたいなと思いますね。
毎月来る生理が苦痛だったものが、月経カップに変えるだけでハッピーになって更に地球にもいい事をしてる!って思えたらいいじゃないですか!

 

ーー様々な事に挑戦されている山階さんですが、新たに挑戦したい事はありますか?

【山階】私体育2なんですけど・・・。(笑)昔は水泳に縛られていて、いろんなスポーツを新たにやる事に消極的だったんですが、今自分の中でもハードルが下がって、やってみたら意外とできたかもしれへん!と思って、やったこと無いスポーツをいろいろやってみたい!と思っています。
“やったことがある”を増やしたいですね。

 

ーーいいですね~!フィンスイミングを広める為に今後どのような事をしていきたいですか?

【山階】最終目標は体育の教科書に載せたいですね!
体育の教科書に載るって事は、義務教育の中で全国民が習ったものになりますよね。それを覚えているかは定かではないですが、教科書に載る事によって、周知されることが増えると思うんですよね!知ってたらやりたかった、っていう方もいると思うので。

どういう競技が知られていない事でプールが使えるところも限られていて、知っている方が増えると理解者や協力者も増えると思うので、体験会をやる事も一つだと思いますが、体験会以外でも講演会とかをもっと増やしていきながら、地域とも連携をしながら、水に携わらない方にも知っていただけるように活動をしていきたいです。

フィンスイミング日本代表山階早姫さんインタビュー
 

ーーでは、最後に今から運動(スポーツ)を始めようとする方へメッセージをお願いします!

【山階】やったこと無い事をやってみるという事は、すごくチャレンジ精神が必要で、一歩踏み出すまでに時間がかかるとは思いますが、やってみたら意外とできたり、やってみないと分からない世界があると思います。
初めてを増やしていく、人生の楽しみを集めていく、新しい自分を見つけることもすごくいい事だと思うので、人生を楽しむカードを増やす意味でも、スポーツにチャレンジしてみて欲しいなと思います!

フィンスイミング日本代表山階早姫さんインタビュー
 

山階さんのエネルギー溢れる関西弁で、競技に対する熱い想いを伺えて、教員、競技者として今までの経験があるからこそ自己コントロールしながら人生を楽しんでいる。そんな印象を受けました!
皆さん今後もフィンスイミングご注目くださいね!
山階さんから自粛期間中に実施されていたトレーニングもご紹介いただいたのでお楽しみに!

 
山階早姫

人物アイコンPROFILE

フィンスイミング日本代表 山階早姫選手

山階早姫

フィンスイミング日本代表選手(God Phoenix所属)
KSNサポートアスリート/よしもとふるさとアスリート
生後8ヶ月から大学まで競泳競技に没頭。日本選手権でも上位入賞を果たす等多くの栄光を残してきた。大学卒業後1年間はセミプロとしてオリンピックを目指し活動。その後フィンスイミングを始め、最初の年の日本選手権で日本記録を出し、日本代表選手に。その年のアジア選手権で3位に入りメダル獲得。
現在も講師業をしながら競技に取組み、自己ベスト、世界選手権決勝進出目指して進化が止まらない!
その他フィンスイミングや水泳を普及活動や、インテグロ公式アンバサダーとしても情報発信を精力的におこなう。
活動の様子などはこちら↓↓↓

⇒山階早姫さん情報LINK


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