『コラム』
- Citta
- 2022/03/13
女子プロボクサー奥田朋子さん【Cittaインタビュー】
今回は女子プロボクサーとして活躍している奥田朋子選手にお話しを伺いました。
現在、プロボクサーとしてだけでなく、教員・スクールカウンセラーとしても働いて いらっしゃいます。
30歳から始めたボクシングの面白さ・奥深さを伺いました。
「やらなあかん」ボクシングとの必然の出会い
ーーボクシングを始めたキッカケとは?
【奥田朋子さん(以下敬称略)】29歳の時に生徒に柔道を指導していて膝の怪我をしてしまい、年末年始に手術入院していました。その時に井岡一翔選手の試合を偶然テレビで見て、来年は観に行ってみたいなと思っていたんですね。
それから本当にその1年後に試合を観に行って、『あ、私やらなあかんな』って思いました。
でも試合内容は覚えてなくて(笑)、勝ったか負けたかも覚えていないですが、とにかくなんか『やらなあかん!』って思ったんです。
ーービビッときたんですね…!今までやってこられたスポーツもそうだったんですか?
【奥田】いや、そんなこともないですよ。
小学生の時に水泳していて、中学2年~大学生までは柔道をやっていました。
中学でも最初は水泳部に所属していたのですが、あんまりいかなくなっていって・・・色々あって柔道部の先生に『柔道してみんか?』って誘われてから柔道を始めた感じです。
ーー柔道していて、ボクシングに通ずることはありますか?
【奥田】1対1でやるのが同じってだけで、結構違いますね。
ーーボクシングの楽しさ・魅力ってどんなところでしょうか?
【奥田】リングの上では非現実的なことが体験できるんですよ。
だって、現実で人を殴ったりってなかなかしないですよね?(笑)ボクシングは自分の潜在能力を引き出せるものやと思ってます。
潜在しているものを顕在化していくという感じです。
自分が抑圧しているエネルギーを知らないまま、もしかしたら死んでいくこともあるかもしれないけど、ボクシングをしていく中で自分の知らない自分に出会えるかもしれないと感じています。
ーーボクシングを始めて身体や心などの変化ってありましたか?
30歳から新しいこと(ボクシング)を始めるってすごいことですよね。
【奥田】30歳からボクシングを始めましたが、もう20代で遊んだりとか全部しきった感じなんで今はもう迷いなくボクシングに打ち込めています。
このくらいの年齢から始めている人も結構いますよ!
自分としては20代の頃は“暗黒時代”だったんですね。
学生の頃って部活していて目標が勝手にあるけど、社会人になるとそういうのってなくなりませんか?
一般企業に就職していた頃は「人生さぼってる」って感覚だったんです。目標もなく過ごしていくことが耐えられなかったです。
ーー今では先生とボクサーの二足の草鞋を履いていらっしゃると思いますが、どのような生活リズムを送られているんでしょうか?
【奥田】朝~17時頃まで学校で勤務して、練習に行きます。
17時っていってもこれはあくまで定時なので3者面談などイレギュラーなことがあれば遅くなります。
遅くなっても練習場は21時半まであいているので、なるべく行くようにしています。
動かんかったら、カラダがしんどく感じますしね。
ーーどんな練習をされているのでしょうか?
少し変わったことを取り入れていると聞きました!
【奥田】そうなんです。
“古武術”を取り入れていて、先生のところに月1回は習いにいっています。
古武術って力を抜いて動くんですね。
無理なく動く、だから息もあがらない。
これってボクシングに活きるんです。力を抜きつつパンチするというイメージですね。
練習の時だけでなく、歩き方や立ち上がり方など日常で意識して取り入れています。
ボクシングの練習をしていて息があがると「あ、違うな」「無駄な力が入っているな」と思います。
ーー古武術を取り入れた後の大会で結果残されてましたね。これはやはりその影響ですか?
【奥田】そうですね。古武術を取り入れた後すぐの大会で、日本チャンピオンになりました。
身体の使い方が変わりましたね。
【奥田】あとはメンタルトレーニングも取り入れています。
『自律訓練法』という、呼吸や瞑想などを行うリラックス法を試合前には必ず行います。
常に力んでいる筋肉には爆発力はないんですよ。
こういったことをして、筋肉の質を良くしたいと思っています。
ーー減量も大変ですよね?
【奥田】そうですね。でも好きなものは色々食べてますよ。
以前は体調を崩したりもしていましたが
今は、KSNさんのOYSを朝晩飲んでいて調子が良いです。
⇒KSN公式サイト
寝起きが違います!おすすめですね。
ーー今後の目標を教えてください
【奥田】6月の東京の大会では負けてしまいましたが、12月の大会の時より成長を感じました。
これからも成長を続けて、いつかラスベガスなどの海外で試合してみたいと思います。
ーーこれから運動を始める方へメッセージをお願いします!
【奥田】スポーツを始めるのに、「遅い」ということはありません。
普段みえない自分を、ボクシングを通してみつけにいきませんか?
PROFILE
女子プロボクサー 奥田朋子
プロボクサー 堺春木ボクシングジム所属
KSNサポートアスリート
柔道で大けがをして入院していた時に井岡一翔選手の試合を見たのをきっかけに
30歳からボクシングを始める。
第2代日本女子バンダム級王者、第7代OPBF東洋太平洋女子バンダム級王者、
第6第WBO女子世界スーパーフライ級王者。
普段は教員としても働いている二足の草鞋を履くプロボクサー。