『コラム』
- Citta
- 2022/07/25
潜入捜査!ゴルフで健康経営!?どんな指導が受けられるのか?
ゴルフで『健康経営』とは・・・?
「健康ゴルフ」をテーマに、神奈川県に6つのゴルフスクールを開校する、有限会社ゴルフハウス湘南は、ゴルフスクール事業と新たに「健康経営サポート事業」を開始したという。
健康経営とは、企業が従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実施することであるが、一体どのようにして、ゴルフで企業の健康経営サポートを行うのであろうか。
有限会社ゴルフハウス湘南の代表であり、一般社団法人日本健康ゴルフ推進機構の会長も務める、小森剛さんにゴルフの健康効果と健康経営サポート事業について詳しくお話しを伺いました。
ーー小森さん、「ゴルフ」と「健康」はどのように繋がるのでしょうか。
【小森剛さん(以下敬称略)】ゴルフの上達にはまず、「健康なカラダ」であることが重要です。
その為には、何といっても「正しい姿勢」であることが最も大切です。
姿勢が良くなることで、あらゆるカラダの不調が予防、改善できると思っています。
ーーここで小森さんは、ゴルフの姿勢不良を例にして、健康被害に繋がる理由を教えてくださった。
【小森】ゴルフのスイング前のフォームで例えると、まずはこの様な姿勢です。
いわゆる“猫背”の状態です。
こういった姿勢は、肩甲骨や肩回りの動作が制限されてしまう事により、飛距離不足や方向性が不安定といった、ゴルフの不調に繋がっていきます。
また、日々この様な姿勢の維持により、首こりや肩こりといった日常的な不調にも繋がり、不調により仕事の“生産性低下”に繋がりかねません。
また、この様な姿勢の方も、特に女性に多く見られます。
こちらの姿勢は“反り腰”と言われる姿勢です。
こういった姿勢の場合は、体を捻る動作に制限が出たり、体幹部の安定が不十分により、姿勢が安定せず、体重移動もしにくい事から、飛距離不足やミート率の低下といった、ゴルフの不調に繋がります。
そういった姿勢の維持により、腰痛や膝痛に繋がる動作を行いやすく、仕事においての“生産性低下”に繋がりかねないと思っています。
ーーなるほど。確かにゴルフのフォームから不調に繋がるリスクを見つけ、改善していく事によって、日常的な不調の改善にも繋がり、「健康」に繋げていく事ができそうですね!
【小森】はい、そうですね。ゴルフの上達と健康増進どちらにも繋げていけるものです。
カラダのバランスが整い、身体能力が向上することでゴルフの上達にも繋がります。
従業員の皆さまも、ゴルフという余暇を通してイキイキでき、それが仕事に向かう活力となり、企業の生産性向上にも繋がっていくと考えます。
また、カラダのバランスが整うことで、カラダの不具合が解消され、健康に繋がり、従業員の生産性向上に繋がる事も、企業の生産性向上にも寄与していくと考えます。
オフィスでもできるゴルフエクササイズとは?
ーーでは、実際にどのような形でそれを実践していくのでしょうか。
【小森】ゴルフエクササイズの目的は、「正しい姿勢の習得・姿勢を改善」する事です。
オフィスやレッスンで実施する際は、おおよそ15分~20分ほどの時間で、姿勢の改善に繋がるようなエクササイズを行います。では、実際にやってみましょう!
ーーはい!お願いします。
【小森】まず、現在のカラダの状態を確認しましょう。
ゴルフエクササイズをする事で、肩甲骨周りや胸椎の可動域向上や体幹部の安定に繋がる効果が期待出来るので、5項目の動きを実施して確認していきます。
ーー簡単にその場でできるチェックなのでオフィスでも問題ありませんね!
【小森】そうですね。運動前後で体の変化を体感し、効果を感じる事も運動継続に繋がるポイントですよね!その点を大事にしておこなっています。
それでは、アイテムを使いながらゴルフエクササイズを実践しましょう!
このようなアイテムを用いて実施していきます。
・らくだ(楽体)
柔軟性が向上し、ゴルフスイングに必要な体へと導く。
ヘッドスピード向上、スイングの安定性向上などの効果が期待できるもの。有名人でもお気に入りの方もいるとのこと。
・パワーバランス(短いものと長いものがある)
身体能力が向上し、ヘッドスピード向上、スイングの安定性向上などの効果が期待できるもの。
・ニョイボウ(振る・握る・ねじる・揺さぶる・回すなど様々な使い方ができる)
体幹強化、握力強化などの効果が期待できるもの。
アイテム詳細はこちら↓
⇒アイテム紹介
実施環境に応じて、使用アイテムも変更しながら実施をしているという。
主にレッスンでは、らくだ(楽体)とパワーバランスを使用しているとのこと
まずは、らくだを使ったウォーミングアップから指導を受けた。
(過去に実施した講習の様子)
肩回りから腰、下半身と約30種類の動作を実施。
ゆっくり全身の筋肉を伸ばすことや、らくだの弾みを使いながら大きく筋肉を使って体を動かす動作まで、段々とゴルフの動きに近づけながら体を動かしていくものであった。
らくだの張力を使うことで、力を抜いた状態で体を動かすことができ、実施していくうちに体が温まり、徐々に体が動かしやすくなる実感もあった。
続いて、パワーバランスを使ってゴルフの動作を再現する様なエクササイズを行っていく。
上体や下半身の位置を変えながらスイング動作を繰り返し行うので、自然と体幹周りに力が入っていることが実感できた。
小森さんの丁寧な解説と一緒に動作を実施してもらうことにより、動作の効果も理解しながら、とてもスムーズに運動実践ができる内容であった。
2つのアイテムを用いて、全身しっかりと動かすことができ、十分に運動実感がある内容である。
また、年齢や活動レベルに合わせてアイテムの強度や内容変更も可能という。
ゴルフエクササイズ実施後の体の変化も、実施前にチェックをしていることでより実感できた。
ゴルフエクササイズの効果
ーー全身しっかり動かすことができてとても気持ちが良かったです!アイテムを用いる事で、より動作も行いやすいですね。
【小森】そうですね。アイテムがあれば使い方を覚える事で、指導者がいなくてもいつでもある程度の場所があればおこなえます。
ちょっとしたスキマ時間にもおすすめですね。
また、らくだを用いる事で腰を支えながら動作をおこなうこともできますので、安全に実施できます。
パワーバランスを振る動作は、体を捻る事でのストレッチ効果や体幹の強化、呼吸を整えながらリズミカルな動作を行うことによる有酸素運動の効果も期待できます。
【ゴルフエクササイズの効果】
- 姿勢の改善⇒肩こり・腰痛などの改善
- 飛距離アップ
- 方向性&ミート率の向上
- ラウンド後の疲労軽減
- メンタルが向上し、活力(Vigor)がみなぎる
といった効果が期待されます。
また、実際に企業様へアンケートを実施したメンタル評価(POMS)でも、姿勢が改善することによって、活力(POMS―Vigor)が向上したという結果も出ました。
ゴルフの健康経営効果
ーーでは、ゴルフはどのように健康経営に効果的なのでしょうか。
【小森】大きく分けると効果的なポイントとして3つ挙げられます。
1つ目は「健康増進」に繋がるという点です。
そこには、ゴルフは年齢問わず実施できるスポーツであるということがあります。
ゴルフは「歩行」が基本となり、その方に合わせて適度にできるスポーツです。
厚生労働省から1日に推奨されている歩数目標は、男性で9,200歩、女性は8,300歩であるのに対して、18ホールを平均的なスコアで回るゴルファーでも約10㎞で約13,300歩は歩く事ができます。
また、適度に日光を浴びる事で、骨を強くするために必要な活性化されたビタミンDの生成に役立ち、骨粗しょう症予防にも効果的に働くと言われています。
更に、スコアを数えたり、数値を計算したりと脳を使う事で、記憶力を向上させ、認知症予防にも繋がることが研究の結果でも実証されています。
ゴルフは適度なプレッシャーの中で行うことができ、ストレス発散効果も期待できることも健康増進効果と言えます。
2つ目は「コミュニティ形成」ができるという点です。
というのも、ゴルフは社交性に富んだスポーツであり、年齢や性別、実力も関係なく楽しみながら交友ができるといことにあります。
また、ほぼ1日時間を過ごすことができるので、ビジネスコミュニケーションにも有効なツールでもあります。
そしてもちろん、社内コミュニケーションを円滑にするツールとなり、「相手ファースト」や「他人ファースト」の精神を養う事も同時にできるスポーツです。
3つ目は「社会人力の向上」ができるという点です。
ゴルフは、自己責任のスポーツです。
自分で判断をして実行をするスポーツであり、主体性を養う事ができ、同時に決断力も身に付くと言えます。
また審判がいないスポーツである為、自律が求められ、自分を律することで「善の心」を育むことに繋がります。
そして、一緒に行う相手と気持ちよく楽しむ為にも、協調性を持ち、気配りができる事が大切であることから、社会人力の向上に繋がっていくものです。
ゴルフの目標のスコアを達成するためのプロセスはビジネスと重なり、目標達成のプロセスを学べるスポーツであり、上記の内容も含め、人材育成にとても効果的に活用できると考えます。
ーーなるほど。健康増進、コミュニティ形成、社会人力向上と、企業力を上げる為にとても重要なポイントが、ゴルフを通して得ることができるのですね!
【小森】そうですね。企業様それぞれのご要望に合わせて講習や実技を実施していきます。
場所等の手配ができるのであれば、実際にゴルフ場に行って新鮮な空気を吸いながら、学んでいただき、実際にホールをまわってみたり、ゴルフをやらない方でも楽しめる様なツールを使って遊んでゴルフに親しんでもらいたいです。
もしくは、広大な敷地を景色眺めながら歩くなど、日頃なかなか体験できないような事を体験していただきたいと思っています。
あとは、全くの初心者の方、ある程度できる方、上級者の方を混合チームにしてホールを回って対決をする事も考えていて、職場間のチームワークや戦略を立てて実行する力を養う機会にもできればと思っています。
ゴルフのこの様な効果をより多くの方に知っていただくべく、今月27日~29日の3日間に渡って東京ビッグサイトで開催される「ゴルフパフォーマンスコンベンション」でセミナー登壇をします。
ゴルフパフォーマンスコンベンションの詳細
⇒イベント案内ページ
そこで、健康経営として企業の生産性を高めるゴルフのチカラについてお話しをさせていただきます。
【登壇情報】
『ゴルフで実践!健康経営~企業の生産性を高めるゴルフのチカラ』
7月29日(金) 14:00~14:40
⇒セミナー案内
このセミナーを通して、お話しさせていただいた事に加え、実際にどのように企業に導入していくのかといった具体例も挙げながらお話しをする予定です。
ーーゴルフを余暇として楽しむ社会人は多くいらっしゃると思いますし、今回登壇なさる展示会も第一回目という事で注目されていますよね!
【小森】はい。より多くの方にゴルフの健康増進効果、健康経営に寄与することを伝えられる機会になればと思っています。
「ゴルフ×健康経営」を発展させていく為に
ゴルフによる健康経営を推進していく為に何が必要か、“一緒に新たな価値を発見する仲間を増やしたい”と小森さん。
ーーその為にどのような事をお考えですか?
【小森】ゴルフ場やゴルフ練習場等を運営するゴルフ事業者とヘルスケア事業者等をマッチングし、新たな価値を生み出せるようなプラットフォームを現在準備中です。
「ゴルフde健康経営コンソーシアム」と名を打って推進しており、この内容も今月29日のセミナー時にお披露目をします。
⇒一般社団法人健康ゴルフ推進機構リリース情報
ゴルフの広がる可能性
神奈川県の未病産業研究会の中の、フレイル(※1)分科会に参画をしているとの事であり、そのお話しもゴルフの可能性を感じさせるものであった。
(※1:健常から要介護へ移行する中間の段階。加齢伴って筋力が衰え、疲れやすくなるなどの年齢を重ねることで生じやすい衰え全般のこと)
【小森】フレイルは早期に対策を行えば、元の健常な状態に戻る可能性があると言われています。
ーーゴルフde健康経営にも繋がる点がありそうですね。
【小森】そうですね。似ている点は多いですが、対象がシニア層という事もあり、キーワードとしては「スローゴルフ」というポイントを挙げています。
スローゴルフは通常のルールに反する考え方にはなりますが、通常のホール終了後の時間を活用する形でその実施を可能にし、施設にとっての利点も生み出せると思っています。
年齢や体力的な面で、本格的なゴルフから退いた方でも、ゆっくりできる範囲でゴルフを楽しむ事ができ、先に健康効果でお話ししたような効果も期待でき、フレイル予防に活用できる可能性が大いに期待できます。
現在構想段階ではありますが、様々な形でゴルフを発展できるように、動いていきたいと思っています。
小森さん、ありがとうございました。
ゴルフの健康効果は多方面で活用できるものですね!小森さんのお話しを通して改めて学ばせていただきました。
今後も、ゴルフがもたらすカラダへの影響や、ゴルフ上達のコツまで様々な内容を掲載していきますのでお楽しみに。