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『コラム』

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Citta
2022/11/03

ノジマステラ神奈川相模原 女子プロサッカー選手 浜田遥選手【Cittaインタビュー】

2021年に開幕した、女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」。

皆さん、ご存じでしょうか。

 

女子サッカーの日本代表なでしこジャパンの活躍も、7月に開催されたEAFF E-1 サッカー選手権2022決勝大会で優勝を飾り、若い力が躍動している女子サッカーと、男子サッカーにも負けず劣らず注目されていますよね!

今回は、女子プロサッカー選手として、ノジマステラ神奈川相模原でご活躍の、浜田遥選手に、女子サッカーの魅力や、サッカーにかける想いを伺いました。

 
女子プロサッカー選手 浜田遥選手インタビュー
 

話を伺っていくとなんと浜田遥選手は、サッカーを始めたきっかけはなく、”2歳の時から気づいたらボールを蹴っていた”というから驚きだ。

女子プロサッカー選手 浜田遥選手インタビュー

本人提供

 

【浜田遥さん(以下敬称略)】兄弟がやっていた訳でもないのですが、小学校2年生の時にはサッカーチームに入っていましたね。

女子プロサッカー選手 浜田遥選手インタビュー

本人提供

 

ーー凄いですね!ボールを蹴っていた当時の事は覚えていますか?

【浜田】さすがに2歳の記憶はないですが、一人で公園に行ってボールを蹴っていた記憶はありますね。

1つの夢を追い求め辿り着いた場所

ーー浜田選手が思うサッカーの魅力とは何でしょうか。女子サッカーならではの面白さはありますか?

【浜田】サッカーの魅力は、1つのボールをみんなで守りながら、ゴールに向かって戦うというところですね。

男子サッカーとの違いは、やはりスピードや迫力に差はありますが、諦めない気持ちやその他の部分でカバーするのが女子サッカーの魅力だと思いますね。

観ていて何か伝わるところはもちろん男子サッカーにもありますが、女子サッカーはよりそれが感じ取れるかなと思っています。

 

ーーなるほど~。それはプレーヤーでも感じる部分ですか?

【浜田】そうですね。どのカテゴリーの試合を見ても、一生懸命頑張っているなというのはいつも響いてきますし、どの選手もサッカーが好きで、続ける事が難しい環境にいらっしゃる方もいますが、それでもサッカーを続けている方が多いので、そういった気持ちがピッチ上に出ているのかなと感じますね。

 

ーーいつ頃から、プロサッカー選手になる事を意識されていましたか?

【浜田】私の地元は大阪の高槻市ですが、たまたま近くになでしこリーグに所属しているチームがありました。

当時、私は小学校4年生で、夏祭りに行った先で、そのチームの選手が募金活動をしていました。

それまで私は女子サッカーチームがある事を知らずにいましたが、募金活動をしていた選手の方が凄く優しく接してくださって、その時に「この選手と一緒にプロサッカー選手になりたい!」と強く思いました。

女子プロサッカー選手 浜田遥選手インタビュー

本人提供

 

ーーへぇ~!素敵な出会いだったんですね。
プロサッカー選手になりたいという気持ちは小学生4年生から徐々に強くなっていったんでしょうか。

【浜田】徐々にどうしたらその選手と一緒にプレーできるようになるのかを考えて、なでしこリーグに行かないといけない事、その選手がどのチームに移籍していくのかなどを追いながら、サッカーを続けていました。

 

ーー素晴らしいですね!実際に同じチームになる事は叶いましたか?

【浜田】2010年に特別指定選手に選んでいただき、高校3年生で一緒のチームに入る事ができて、翌年の 2011年には正式に一緒のチームになれたのですが、その年に東日本大震災で被災し、一緒のチームで試合する事がないまま終わってしまいましたね。

ですが、小学校4年生の頃に持った、一緒のチームに入ることはその時に叶いました。

 

ーー素敵です!今でもその選手とは交流はありますか?

【浜田】今は引退されていますが、今でも連絡を取っていて、応援してくださっています!

女性アスリートとして大事にしてること

ーー競技を続けていく中で、苦労した事、悩みなどありましたか?

【浜田】私は男子チームに小学校から女子一人で入っていましたが、本当にチームメイトが優しくて、女子として接するのではなく、 仲間として関わってくれたので、女子選手としての苦労はあまり経験せず、ここまで続けて来られました。

チームメイトやスタッフ、保護者の方々に恵まれていたなと感じます。

女子プロサッカー選手 浜田遥選手インタビュー

本人提供(前列右から3番目)

 

サッカーをしているときはもちろん、試合の間が長くてもみんなでいろんな遊びをしたり、練習がない日もチームメイトと毎日一緒に遊んで、本当にずっと一緒にいましたね。

 

ーーご自身のカラダと向き合って、コントロールする為に実践している事、大事にしている事はありますか?

【浜田】今までも様々なトレーニングなどカラダ作りに関して自分に合うものを探してきました。

やはりその中で私が一番大事だなと思っているのは、「食事」です。

毎日食べる食事は、毎日気を遣っていますね。

練習がとてもハードなので、鉄分やビタミンが摂れるフルーツは意識的に摂取するようにしています。

去年、栄養士を自分につけて毎食管理をしてもらいながら、自分で料理をする事を1年以上取り組んだので、そういった知識を活かしながら、料理はできないですが、出来ないなりに作る事はできるので、向き合って取り組んでいます。

今はチームメイトと食べる事が多く、チームメイトと一緒に作っていますね。

 

ーー素晴らしいですね!特にこれはテッパン!というメニューはありますか?

【浜田】それはですね・・・

私、ちくわがめっちゃ好きで、それをチームメイトに伝えたら、ピーマンの肉詰めがあってなんでちくわの肉詰めがないんだろう・・・という事になり、チームメイトが作ってくれたんです!

女子プロサッカー選手 浜田遥選手インタビュー

本人提供

 

そしたらめっちゃ美味しくて!!

疲れた時にはよく、ちくわの肉詰めを食べていますね!(笑)

本当にめっちゃ美味しいのでオススメですよ!

 

ーーへぇ~!!その考えは斬新ですね!(笑)
今は1日3食と決めて食事を摂っていますか?

【浜田】そうですね。1日3食です。

去年は、体重を増やす為に4食でしたが、6月から神奈川に来て気温の暑さに食べられなくなってしまって・・・

なので今は4食分を3食で補えるように変更しました。

食事の時間は朝夜は基本的には一定で、お昼は練習時間が日によって変わるので、その時間によって変化します。

食事量はお昼が一番少なくて、朝・夜を多くしています。

サッカー人生を大きく変えた出来事

ーー福島が本拠地のクラブ、東京電力女子サッカー部マリーゼに入団された年に、東日本大震災の被害に遭われたと拝見しました。
当時の心境はいかがでしたでしょうか。また、震災のご経験が浜田選手にどのような影響を与えたのでしょうか。

【浜田】当時私は高校を卒業したばかりで、正直、自分の事しか考えられてなかったです。

チームが活動休止になった時も、まさかチームが無くなるとは思っていなかったので、サッカーができなくなる悲しさ、チームメイトと離れる悲しさしかその時はなかったですね。

当時を振り返ると、自分がサッカーができるかどうかという事しか考えられなかったですが、時間が経つにつれて、チームを再起させようと様々な方が動いてくださったり、支えてくださったので、“サッカーができる事が当たり前じゃない”と向き合えた時間でした。

震災は現在でも各地で起きていますが、当事者じゃないと分からない気持ちは必ずあるなと思います。

私は2歳の時にも、阪神淡路大震災を経験していますが、幼かったので記憶はなく、教科書で見たとしても大変な出来事だったんだとしか思えなかった部分があります。

ですが、東日本大震災を経験して、誰かが苦しんでいるときに、大変だなと思うだけではなくて、その時に自分がどんな行動を起こせるかで救われる人はいると実感しました。

その経験もあり、誰かが困っているときには、どんなに小さい事でも自分が行動を起こそうと強く想うようになりました。

 

ーー本当に当事者にならないと分からない事は多いと感じます。
先日も浜田選手は、豪雨災害があった地域へ支援物資を届けていらっしゃいました。

 

想いを行動に。浜田選手の想いが伝わります。

 

ーーチームが活動休止になってからは拠点を大阪に移し、大阪のチームで活動をされていた浜田選手。
仙台のチームが再起をする際の事を教えていただきました。

【浜田】仙台のチームが新しくできる1年目の時に、有難い事にチームから声をかけていただきました。

ですが、自分だけサッカーができる場所を作ってもらったからと言って、また次に移籍をするという事は自分の中で納得できない所がありました。

サッカーができない時に受け入れてくださった、大阪のチームの順位をもう少し上げてから戻ろう、と思っていたので、まずは自分がいる場所で関わっていただいている皆さんにしっかり恩返しをしてから、自分の気持ちを優先しようと決めていました。

 

震災の経験を乗り越え、多くの結果を残されてきた浜田選手。
2021年にはなでしこジャパンに選出され、日本代表として世界の舞台に挑戦されました。

ーー浜田選手にとって、なでしこジャパンで戦う舞台はどのような場所でしたか?

【浜田】本当に小さい時の夢でしたし、ここまでサッカーを続けさせてくれた家族が本当に喜んでくれたので、本当に“特別な場所”でした。

 

ーー実際に海外の選手と相対する機会でしたが、その時何を感じていましたか?

【浜田】普通であれば、海外の選手がどうだったとかを感じると思うのですが、自分は本当に、日本代表として初めて試合に出られた時は、ピッチに立てた事が嬉しすぎて、相手が海外の選手だとかをあまり意識していなかったですね。(笑)

とにかく“感謝の気持ちを持って全力でプレーしよう”ということしか考えられなかったです。

今思うと、もう少し冷静にそこを考えられていたら今また違ったのかな、、、とは思いますね。(笑)

”笑顔”から伝わる想い

ーー浜田選手のサッカーに対するこだわり、強みはなんでしょうか。

【浜田】強みはあまり自分自身では分からなくて、こだわりは、みんなで楽しくやりたい、という事ですね。

“いい意味の楽しさ” 仲良しこよしのなれ合いではなく、サッカーが好きで今まで続けてきた仲間なので、失敗を恐れる気持ちではなく、「みんなで助け合ってみんなで点を取って笑いたい、勝ってみんなで笑いたい」という気持ちがとても強くあります。

特に今は、WEリーグのプロ選手として結果が求められる中で、“楽しく・笑顔”でサッカーをする事は正直難しいです。

ですが、それでも自分は“みんなと笑いたい”とこだわって毎日サッカーと仲間に向かっています。

 

ーー浜田選手笑顔、本当に最高に素敵ですよね!

【浜田】あはは!!ありがとうございます!

女子プロサッカー選手 浜田遥選手インタビュー
 

チームスタッフの方がいつもいい瞬間を切り取ってくれるので、有難いですね!

チーム全体にその笑顔、自分の気持ちが伝わっているといいなと思います。

 

ーー普段、どのようにして仲間にそういった想いを伝えていますか?

【浜田】普段“笑顔でいようよ”と直接言う事はないですが、それも震災があった時に急にチームの仲間とサッカーができなくなってしまったことがあったので、今こうやってチームのみんなとサッカーができているのは幸せな時間という事は毎日想っています。

自分も無理して笑っていないですし、心の底からみんなとサッカーをするのを楽しみながら、仲間の誰かが落ち込んでいたり、辛そうにしていたら、気にして声をかけるようにしています。

 

ーー今年の6月から加入された、「ノジマステラ神奈川相模原」はどんなチームですか?

【浜田】本当に若い選手は素直で、純粋な子が多いですね。

そして年上の選手は、背中で示してくれる選手ばかりで本当にいいチームだなと思います。

ーーそうなんですね。ちなみに・・・対戦チームだった時の印象はどんな印象を持っていましたか?

【浜田】全員で守って、全員で戦うチームだなと思っていました。

みんなが一生懸命頑張るチームという印象でした。

加入してからは、本当に印象を以上に、人として素晴らしい選手が揃っているチームだなと実感しています。

 

ーーチーム内のコミュニケーションを取るルーティーンはありますか?

【浜田】そんな大きな行動は出来ていませんが・・・

本当に毎日の練習でめっちゃ走るんです。(笑) 仙台のチームいた時よりも倍の距離走っています・・・。

どんなに最悪な状況をイメージしたとしても、必ずその想像をはるかに超えるメニューが来るんです。(笑)

ですが、そういった追い込まれて、みんなしんどい状況でも、前向きな発言や少しでもみんなで前向きに練習に向かえるように取り組んでいます。

チームのみんなで盛り上げる雰囲気もありますが、自分もそこは意識しながら声掛けをしていますね。

本当に相当走ってみんなで努力してチームを作っているので、その努力が結果に繋がればいいなと思います。

プロサッカー選手「浜田遥」として還元できる事

ーー今後のチームの目標と浜田選手個人の目標を教えてください。

【浜田】はい。まずチームの目標は、WEリーグで5位以内に入る事です。

個人では、二桁得点を取ります!

ですが、カップ戦で試合出場の機会があまりなかったので、まずは“試合に出る事”と出場機会が短くなったとしても、二桁得点という目標はブレずに、最後まで達成に向けて走り続けたいと思います!

女子プロサッカー選手 浜田遥選手インタビュー
 

ーー女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」。今後どのように発展していく事を望みますか?

【浜田】やっぱり今、サッカーをしている子どもたちが「憧れる場所」でなければならないと思っています。

その為には、WEリーグで戦っている私たちが、サッカーの楽しさやなでしこリーグとプロリーグの違いを見せていく事が、見ている子どもたちに何か与えられる事があると思っています。

個人的には、私も小学生の時に女子サッカー選手に触れあって、その選手とサッカーがしたいという夢を持ちながら、ここまでサッカーをやって来られたことがあるので、サッカー選手としてプレー以外のサッカー教室や子供たちと直接触れ合う機会の時に、少しでも子どもたちの夢になれる様な事ができたら、私も“サッカーに恩返しができる”と思いますし、一人でも多くの子どもたちがWEリーガーになりたいと思ってくれると思うので、そういった触れ合える機会を大切にしようと思っています。

私に夢をくれた選手のように、今度は私が子供たちに夢を与えられたら最高に幸せですし、そういう存在になりたいと思います。

女子プロサッカー選手 浜田遥選手インタビュー
 

ーー素晴らしいです! 最後に、これから女子サッカーを始めたい方、女子プロサッカー選手を目指したいという子どもたちにメッセージをお願いします!

【浜田】サッカーが大好きでサッカーをしていると思うので、その気持ちが一番自分を強くしてくれると思っています。

上手くいく事もいかない事もあるとは思いますが、「サッカーが好き」という気持ちを大切にして、友達や一緒にいるボールを蹴る仲間を大切にしながら、サッカーを楽しんで続けてもらえたらいいなと思います!

女子プロサッカー選手 浜田遥選手インタビュー
   

浜田遥選手、ありがとうございました!

浜田選手は、いわてグルージャ盛岡のキャプテン牟田雄祐選手も参加する、PARKプロジェクトに参加され、浜田選手がゴールを決めるか、チームが勝つ度にサッカーボールを購入し、世界中の恵まれない子供達や東北の子供達にサッカーボールを寄付する活動を今シーズンも継続して行うそうです!

この活動も、浜田選手を成長させてくれた東北への恩返しと、浜田選手が関わって来られた方々への感謝の想いが形になった活動ですね。
⇒「PARKプロジェクト紹介ページ」
※内容は前所属チームですが、今後リニューアル予定との事です。

 

そして、浜田遥選手が所属するノジマステラ神奈川相模原のWEリーグ戦も、今月は11月5日(土)と11月26日(土)に予定されています!

試合スケジュールの詳細はコチラをご覧くださいね!
⇒ノジマステラ神奈川相模原リーグ戦スケジュール

 

これからも、ノジマステラ神奈川相模原で笑顔はじける浜田選手のご活躍を、皆さんで応援していきましょう!

 
ノジマステラ神奈川相模原 女子プロサッカー選手浜田遥さん

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女子プロサッカー選手 浜田遥選手

ノジマステラ神奈川相模原 女子プロサッカー選手浜田遥選手

大阪府高槻市出身
所属:ノジマステラ神奈川相模原 ポジション:FW
高槻桜台FC—高槻ユースクラブ―JFAアカデミー福島—東京電力女子サッカー部マリーゼ―スペランツァ大阪高槻—マイナビベガルタ仙台レディース―マイナビ仙台レディース
2014シーズンにベガルタ仙台レディース加入後、8シーズン仙台でプレー。2020シーズンにはなでしこリーグ1部で得点ランキング2位となる15得点を記録。
2022年6月からノジマステラ神奈川相模原へ加入。
<代表歴>
2009年U-16、2010年 U-17、2011年U-19、2012年U-20日本女子代表
2021年 なでしこジャパン(日本女子代表)


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