『コラム』
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- 野村整形外科
- 2025/02/12
【野村整形外科】アスリートの外傷・障害の予防方法 投球障害肩
前回は、投球障害肩についてご紹介させていただきました。
今回は、投球障害肩の予防方法について紹介させていただきます。
1:投球障害肩について
はじめに前回の資料を基に投球障害肩について説明します。
・投球動作の繰り返しによる痛み発生
・股関節などの下肢機能障害や胸郭、肩甲帯、(ローテーターカフ)などの体幹機能障害なども原因と考える
以上の2つを主な原因として紹介しておりますが、その中でも今回は胸郭・肩甲帯といった肩甲骨の運動性に必要な筋肉のストレッチ・エクササイズを写真とともに紹介していきます。
2:ストレッチ・エクササイズ
①肩関節後面(棘下筋、小円筋)
【肢位】立位or座位
【方法】①伸張する側を下にして肘を保持する。
②伸張側の肘を押し下げている。
③肩関節を水平に内側に捻り、保持する。
【ポイント】肘の高さを変えることで、伸張する部分が変化する。
【肢位】ストレッチを行う側が下になるように横向き
【方法】①肘を肩の辺りまで上げて床に置き、肘関節を90度に調整する。
②反対の手で手関節を掴み、90度を保持したまま腕を下げる。
【ポイント】肘の角度を保つ
②三角筋
【肢位】立位or座位
【方法】非伸張側の上肢で伸張側の肘関節を下方から支え、肩関節の水平内転を行う。
【ポイント】・頭部を伸張側に回旋し、顎を肩にのせるようにすると伸張感を得られる。
・肩前面に痛みがある場合、胸と上腕の間にタオルなどを挟んで取り組む。
③前鋸筋
【肢位】四つ這い
【方法】①肘関節を伸展したまま四つ這い位になり、脱力する。
②肩甲帯を後退させる。
【ポイント】一側上肢に体重移動すると、より伸張感が得られる。
④胸郭エクササイズ
【肢位】四つ這い
【方法】①肘を曲げ手を頭部に添える。
②肘を釣り上げられるようなイメージで胸を引きながら肘を上げていく。
【ポイント】肩甲骨をしっかりと寄せるイメージを忘れないように
3:まとめ
投球動作が多いスポーツでは肩関節や肩甲骨のコンディションを整えることがとても大切になってきます。
今回は肩甲骨周囲のストレッチを主に紹介しましたが、投球動作は股関節や腰部へのアプローチもとても必要になってきますので身体全体のストレッチも継続していきましょう!
次回は投球障害肩に対するリハビリテーションの内容をご紹介します。