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『コラム』

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野村整形外科
2025/03/12

【野村整形外科】アスリートの外傷・障害のリハビリテーションについて 投球障害肩

前回は、投球障害肩の予防方法についてご紹介させていただきました。

今回は、投球障害肩に対するリハビリテーションについてご紹介させていただきます。


1:投球障害肩について

はじめに以前紹介した資料を基に投球障害肩について説明します。


・投球動作の繰り返しによる痛み発生

・股関節などの下肢機能障害や胸郭、肩甲帯などの体幹機能障害なども原因と考える


以上の2つを主な原因として紹介しております。


2:リハビリテーションの段階と流れについて

 ◆リハビリの段階

急性期:痛みと炎症の軽減

     (安静を目的として、アイシングや軽度の可動域運動)

回復期:可動域の回復と筋力の強化

強化期:筋力と持久力の向上

     肩の安定性の強化

     外転や内転、捻り動作を考慮しトレーニング道具を用いたトレーニング

復帰期:実際の投球動作の再現と復帰

     軽い投球練習やシミュレーション投球


 ◆投球障害肩のリハビリとして必要なポイント

  1:肩関節周囲の機能改善

  2:全身のコンディショニング

  3:投球フォームの改善


1:肩関節周囲の機能改善

肩関節や肩甲骨をはじめ、その肩甲骨周辺についている筋肉で大切になってくる

ローテーターカフ(回旋筋腱板)とよばれるものを強化していきます。

ローテーターカフには肩周りにあるインナーマッスルで肩甲骨に上腕の骨をひきつける役割があります。

ローテーターカフは棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋と4つの筋肉からなります。

まずはローテーターカフを中心に機能改善を目的としたエクササイズを行います。


    

棘上筋エクササイズ


   


・ボールを脇に挟み、親指を上に向けます。

・脇を締めるように力を入れ、ボールの反発を利用しながら力を抜きます。

・リズムよく20回繰り返します。


棘下筋エクササイズ


  


・肘を台に置きます。

・ボールを前後に転がし肩関節の後方からだるさが出るまで続けます。
※首から肩にかけて力が入らないように注意します。


肩甲下筋エクササイズ


     

      


・肘を台に置きます。

・肘を肩幅程度に開き、ボールを左右の腕で挟みます。

・肘を位置を固定し、ボールを潰すように力を出し入れしていきます。

※できる範囲で肘の間隔を狭くしていくと効果的です。



2:全身のコンディショニング



インナーマッスルと肩甲骨運動


  


・肘を台に置きます。

・肘を肩幅程度に開き、ボールを左右の腕で挟みます。

・挟んだ状態を維持し、肘を上下に上げ下ろします。

※できる範囲で肘の間隔を狭くしていくと効果的です。

       

股関節外側のストレッチ


   


・両膝を立てて、片方の足をもう片方の膝の上に乗せます。

・できるだけ膝を外側に向けた状態で上半身を前に倒していきます。

※背中だけが曲がらないようにしましょう。


股関節の開脚



・両方の足を開きます。

・骨盤を起こし、背中を伸ばし姿勢を正します。

・その状態から前かがみになるように倒していきます。


股関節外側のストレッチ




・両膝を90度に曲げて片方の足をもう片方の膝の上に置きます。

・上側の足で下の足を内側に倒します。

※内側に倒した側のお尻が浮かないようにしましょう。


胸部のストレッチ


       


・写真のように横向きに寝ます。

・上側の膝は曲げて床につけるようにします。

・手を開きながら上側の膝が動きすぎないようにしましょう。


股関節の外側と胸部伸ばし



・両方の膝を持ってしっかりと足を開きます。

・肩を内側にいれるような形で、股関節と背中を同時にストレッチしていきます。

※膝とつま先はできるだけ内側に向かないようにしましょう。


背部のストレッチ


       


・まずは背中から腰にかけてできるだけ反らします。

・骨盤を動かしながら地面に向かってみぞおちあたりを下げるイメージで行いましょう。

・次はできる限り背中を丸くしていきます。天井に引き上げられるイメージで行いましょう。


3:投球フォームの改善



上記のように投球フォームを場面ごとに分けて分析を行います。

リハビリ内容としては、タオルなどを用いたシャドウピッチングや近い距離でのネットスローなどからスタートし、医師やトレーナーの指示のもと、距離を伸ばしながら投球フォームの改善をおこないます。


4:まとめ

投球動作が頻繁にある競技で起こりやすい障害として、今回は野球での投球動作を中心としたリハビリテーションについて紹介しました。

学生年代にも成人年齢にも起こりやすいので、ストレッチやエクササイズを参考に一つでもケガを少なくスポーツを楽しみましょう!



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