『コラム』

- 野村整形外科
- 2025/09/10
【野村整形外科】日常生活・スポーツで 起こりやすい外傷・傷害のリハビリテーション 腰椎分離症編
前回は腰椎分離症の予防方法について紹介させていただきました。
今回は、腰椎分離症のリハビリテーションについてご紹介させていただきます。
症状について
腰椎分離症は腰椎の椎弓という部分が疲労骨折により、
分離してしまう状態です。
特に成長期のスポーツ選手に多く見られ、腰を反らす動作やひねる動作を繰り返すことで発症しやすいとされています。
腰椎分離症は、腰痛の場合とおしりや大腿(太もも)の痛みを出す場合があります。
10〜15歳頃から生じますが、子供〜高齢者まで幅広い年齢を対象に症状が出ます。
では、腰椎分離症のリハビリテーションの流れとして大切な2つのポイントを紹介していきます。
1:体幹部の筋力トレーニングや股関節周囲の筋力と柔軟性
2:リハビリ開始3週までは炎症に配慮したストレッチと腰部への負担を考慮した等尺性収縮運動
以上の2点は腰椎分離症のトレーニングに必要な要素になります。
2つのポイントに応じたストレッチ・トレーニングを紹介していきます。
1:体幹部の筋力トレーニングや股関節周囲の筋力と柔軟性
こちらでは体幹部や股関節周囲の筋力を向上させるトレーニングを紹介していきます。
◆四つ這い片腕挙上
腕をしっかりと上げます。
体幹をまっすぐにキープします。
呼吸をしながら取り組みましょう。
10回 2セット(L/R)
◆四つ這い片脚挙上
脚をしっかりと上げます。
体幹をまっすぐにキープします。
呼吸をしながら取り組みましょう。
10回 2セット(L/R)
◆四つん這い片腕片脚対角線挙上
対角線上になるように腕と脚を交互に上げます。
体幹をまっすぐにキープします。
呼吸をしながら取り組みましょう。
動きに慣れてきたら10秒キープしてみましょう。
10秒×6回 3セット
2:リハビリ開始3週までは炎症に配慮したストレッチと腰部への負担を考慮した等尺性収縮運動
こちらでは腰部への負担を考慮したストレッチポールでのエクササイズを紹介していきます。
◆仰臥位 片腕挙上
片腕を挙げ両足でバランスを保持します。
息を止めず呼吸しながら取り組みましょう。
10回 2セット(L/R)
◆仰臥位 両腕挙上
まずは左腕を上げ、次に右腕を上げます。
両腕を保持したまま両足でバランスを保持します。
息を止めず呼吸しながら取り組みましょう。
10回 2セット
◆仰臥位 片足挙上
片足を挙げ両手、片足でバランスを保持します。
息を止めず呼吸しながら取り組みましょう。
交互に足踏みをしていきましょう。
10回 3セット
◆仰臥位 両脚挙上
両脚を挙げバランスを保持します。
息を止めず呼吸しながら取り組みましょう。
できるだけ同じテンポで取り組みましょう。
5秒×5回 3セット
◆仰臥位 サイクリング
バランスを保つため両腕を地面に固定します。
両足を上げ姿勢が安定してきたら足を回していきます。
息を止めず呼吸しながら取り組みましょう。
できるだけ同じテンポで取り組みましょう。
10回 3セット
まとめ
腰椎分離症のリハビリテーションでは腰部への負担を考慮したエクササイズが中心となります。
体幹機能の向上や筋肉の柔軟性、関節可動域の安定性などストレッチやトレーニングを通じてアプローチしていくことが大切になります。
今回はストレッチポールを活用したエクササイズが中心となりました。学生年代ではメディシンボールを活用したトレーニングを行うこともあります。
長くスポーツをしていくためにも、リハビリに積極的に取り組んでいきましょう。