『コラム』

- 野村整形外科
- 2025/10/20
【野村整形外科】日常生活・スポーツで 起こりやすい外傷・傷害の予防方法 腰椎椎間板ヘルニア編
今回は腰椎椎間板ヘルニアについて紹介させていただきます。
腰椎椎間板ヘルニアとは
背骨の骨と骨の間にある椎間板の中央にある髄核が飛び出すことによって周りの神経を圧迫し、腰やお尻、足のしびれを引き起こす疾患です。特に20代から40代の年代に多く、特に男性に好発する傾向があります。


原因
重いものを持つことなどで背骨に負荷がかかることや
加齢や喫煙、悪い姿勢なども発症に関わります。
症状
腰痛:腰やお尻に突然の痛みが出現することがあります。
下肢痛・しびれ(坐骨神経痛):痛みやしびれが足の裏や太ももまで広がる場合があります。
歩行障害:足に力が入らなくなったり、歩きにくくなったりすることがあります。
排尿・排便障害:まれにヘルニアによる神経の圧迫が強く、排尿や排便に障害を起こすことがあります。
診断方法
診断には、徒手検査や神経学的検査、レントゲン、MRI、CTなどの画像検査等を総合的に評価し行われます。特にMRIは椎間板や神経の状態を確認できるため診断には不可欠であり、また、①下肢伸展挙上テスト(SLR)②指床間距離(FFD)等の徒手的検査も重要な役割を果たします。
①下肢伸展挙上テスト(SLR)

1,患者を仰向けに寝かせます
2,膝を伸ばしたまま、下肢を挙上します
3,臀部から指先にかけてしびれが生じないかを確認します。
痛みや、しびれが生じる場合には陽性となります。
②指床間距離(FFD)

1,直立の状態で膝を伸ばしたまま前屈します。
2,指先と床との距離を測定します。
3,ハムストリングス(太もも裏)、腰、背中の柔軟性を確認します。
指先が床に触れるぐらいが望ましいとされています。
治療方法
主に「保存療法」、「手術療法」の2つに分かれます。
基本的には、保存療法から行われることが一般的です。
保存療法では、コルセットや注射、薬物療法やリハビリなどを中心に行います


保存療法で改善が見られない場合、重い神経症状がある場合には手術療法が検討されます。
手術療法では、飛び出したヘルニアを摘出する「椎間板摘出術」が一般的で、内視鏡や、顕微鏡が用いられることがあります。
まとめ
腰椎椎間板ヘルニアは、多くは保存療法で改善しますが、重い神経症状がある場合には手術が検討されます。早期の診断と適切な治療、そして日常生活での姿勢や体幹筋の強化が再発予防につながります。腰の痛みが続くようであれば医療機関へ受診するようにしましょう。