『コラム』
- 野村整形外科
- 2025/11/13
【野村整形外科】日常生活・スポーツで起こりやすい外傷・障害予防方法 腰椎椎間板ヘルニア編
前回は腰椎椎間板ヘルニアについてご紹介させていただきました。
今回は腰椎椎間板ヘルニアの予防方法についてご紹介させていただきます
症状について
腰椎椎間板ヘルニアとは
背骨の骨と骨の間にある椎間板の中央にある髄核が飛び出すことによって周りの神経を圧迫し、腰やお尻、足のしびれを引き起こす疾患です。特に20代から40代の年代に多く、特に男性に好発する傾向があります。
症状
腰痛:腰やお尻に突然の痛みが出現することがあります。
下肢痛・しびれ(坐骨神経痛):痛みやしびれが足の裏や太ももまで広がる場合があります。
歩行障害:足に力が入りにくくなったり、歩きにくくなったりすることがあります。
排尿・排便障害:まれにヘルニアによる神経の圧迫が強く、排尿や排便に障害を起こすことがあります。
予防方法のポイント
1.日常生活での姿勢や動作に気を付ける
2.股関節周囲の筋肉の柔軟性を高める
3.インナーマッスルを含めた体幹筋群の筋力強化
1.日常生活での姿勢や動作について
・長時間同じ姿勢を取らないことが重要です。椅子に座っている時は、浅く座らず、深く座り、背もたれにもたれかかるように座ると、腰に負担がかからない姿勢になります。
・立っているときは、耳、肩、腰、膝、くるぶしが一直線になるように意識します
・重いものを持ち上げる時には、膝を曲げて腰を落とし、膝でもち上げるように意識しましょう。
ここからストレッチをご紹介させていただきます。
2.股関節周囲の筋肉の柔軟性を高める
1、大腿四頭筋、腸腰筋のストレッチ

・床に座り両足を伸ばします
・片方の膝を曲げ、足裏が真上に向くようにします
・息を吐きながら、上体を後ろに倒し太ももの前が伸びているのを意識しながら伸ばします。
・15秒~30秒ほど伸ばしましょう。
2、ハムストリングスのストレッチ

・脚を開き座ります
・片方の脚を曲げ、あぐらをかくように座ります
・伸ばしている脚の方に体を倒します、太ももの後ろが伸びていることを意識しながら伸ばします
・15秒~30秒ほど伸ばしましょう
3、臀部のストレッチ

・椅子に座ります
・片脚のくるぶしがもう一方の膝の上にくるように乗せます
・上体をまっすぐに伸ばし座ります
・息を吐きながらゆっくりと上体を前に倒します
・臀部が伸びているのを意識しながら伸ばしましょう
・15秒~30秒ほど伸ばしましょう
4、背骨を反らすストレッチ

・うつ伏せに寝転がります
・手のひらを床につけ両肘を伸ばします
・その状態から上を向くようにし腰を反らしましょう
・15秒~30秒ほど伸ばしましょう
注意
腰痛がある方は控えましょう
5、背骨をひねるストレッチ

・仰向けの状態で膝を立てます
・両膝を揃えたまま、左右にゆっくり倒します、肩が浮かないように注意しましょう
・倒した状態で呼吸をし、腰の筋肉が伸びていることを意識しましょう
・左右に30回倒しましょう
注意
腰痛がある方は控えましょう
ここから筋力強化についてご紹介させていただきます。
3、インナーマッスルを含めた体幹筋群の筋力強化
★ドローイン【腹斜筋、腹横筋】

・仰向けに寝て、両膝を90°ぐらいに曲げます
・鼻から息を吸い、おなかを膨らませます
・口から息を吐き、おなかをへこませます
・5~10秒のキープを5回程度行いましょう。慣れてきたら10回程度まで増やしていきましょう
・1日に2~3セット行いましょう
★バードドッグ 【腹直筋、腹斜筋、脊柱起立筋、大殿筋】

・四つ這いの状態になります。手は肩の真下に来るように、膝は股関節の真下にくるようにしましょう。
・対角線の手足を伸ばします(右腕を上げる場合左足を上げる)
・体を一直線になるように意識しましょう(背中のラインに腕、足がくるように)
・左右交互に10~20回行いましょう
★ヒップリフト【殿筋群、ハムストリングス】

・仰向けに寝て、膝を軽く曲げます
・お尻を締めることを意識しながら、お尻を持ち上げましょう
・膝から肩までが一直線になるように意識しましょう
・最初は10~15回行いましょう。慣れてきたら15~30回を目処に行いましょう。
・1日に2~3セット行いましょう
★プランク 【腹直筋、腹斜筋、脊柱起立筋】

・うつ伏せの状態になります
・肩の真下に肘がくるように姿勢をとります
・その状態から体を浮かせ、肩から足までが一直線になるように姿勢をキープします
・30秒から1分キープしましょう
★サイドプランク【腹斜筋、腹横筋、大殿筋】

・横向きに足を伸ばし寝転がります
・肩の真下に肘をおき、体を持ち上げます
・肩から足までが一直線になるように姿勢をとりキープします
・30秒から1分キープしましょう
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まとめ
腰椎椎間板ヘルニアを予防するためには、腰部への負担を減らし、股関節周囲の柔軟性を高め、体幹筋群の筋力を強化することが大切です。これら3つのポイントを日常生活の中で意識し、正しい姿勢とバランスの取れた身体づくりを心がけましょう。


































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