『コラム』
- ラグスタ株式会社
- 2021/03/10
より高くジャンプするための力学的視点とそのトレーニング
多くのスポーツでは跳ぶ動作、すなわちジャンプ動作が伴います。
ジャンプ力を高めるために多くのアスリートはジャンプ系のトレーニングを行いますが、その練習だけでは身体がトレーニングの刺激に慣れてしまい、いずれ頭打ちをしてしまいます。
ジャンプ力を最大限に高めるためにはジャンプ動作を力学的に考え、必要な体力要素を理解した上で、トレーニングを行う必要があります。
では、早速ジャンプ力を向上させるトレーニングやメカニズムを紐解いていきましょう。
ジャンプ力を決める要因
ジャンプ力(=垂直跳びの跳躍高)は、ジャンプする際に足が地面から離れる瞬間の身体重心の初速度で決定されます。その初速度を決めるのは床反力の力積です。(床反力とは地面を押す力に対しての反発力)
力積とは「力×力の作用時間」で求められ、力積が大きいほど力を加えられた物体(ボールや自分の身体など)の運動量が大きくなります。垂直跳びに置き換えると、地面反力の力積が大きいほど身体重心の運動量が大きくなり、高くジャンプすることができると言えます。
ジャンプ力を高めるトレーニング
垂直跳びにおける地面反力の力積を大きくするには「地面にどれだけ大きな力を加えられるか」が重要になります。
そのためには
- 上手にジャンプする練習
- 脚の筋力を高めるトレーニング
- 重たいものを素早く動かすトレーニング
の3通りを平行して行わなければなりません。
上手にジャンプする練習
高く跳ぶためのスキルを養うことが目的となります。
垂直跳びで高く跳ぶためには、「反動動作」や「腕の振り込み動作」を適切なタイミングで行わなければなりません。
上達にはプロのバスケットボール選手やバレーボール選手など、ジャンプ動作の上手な選手を観察し、頭の中でイメージを描きながらたくさん跳ぶ練習をすることが大切です。
脚の筋力を高めるトレーニング
発揮する力そのものを大きくすることが目的となります。
どんなにジャンプするスキルがあっても地面に力を加えることができなければ、高く跳ぶことが難しくなります。
脚の筋力を高める最も代表的なトレーニングは「バーベルスクワット」です。太ももが床と平行になるまでしゃがみ(=パラレルスクワット)、まずは自体重の2倍の重さを持ち上げることを目指しましょう。
重たいものを素早く動かすトレーニング
力を素早く発揮する能力を高めることが目的となります。
垂直跳びという限られた時間の中でゆっくりと力を発揮してしまったら、結果的に力積が小さくなり高く跳べなくなってしまいます。
高くジャンプするためには、大きな力を素早く発揮しなければなりません。この能力を高める代表的なトレーニングは「パワークリーン」です。
床からバーベルを引き上げ、股関節・膝・足首を爆発的に伸展させ、バーベルを肩の前でキャッチします。
まずはバーのみで行い、徐々に負荷を増やしていきましょう。
まとめ
ジャンプ力を高めるには、地面にどれだけ大きな力を加えられるかが重要になります。
それを理解した上で、自分に足りないのはジャンプのスキルなのか、筋力なのか、力を素早く発揮する能力なのかを判断して、トレーニングを組み立てていく事が大切です。