『コラム』
- 本岡 誠也トレーナー(水戸ホーリーホック)
- 2021/03/26
サッカー選手必見!怪我予防のためのストレッチ
サッカーに関わらずスポーツをするにあたって、怪我の予防のためのストレッチは必要不可欠のものです。特に少年期でのストレッチは成長期特有の怪我の予防に役立っています。
サッカー特有の成長期の怪我には下肢の怪我はもちろん、腰部の怪我も含まれています。サッカー業界でもUー23の選手に対してはセルフコンディショニングをできるように、トレーナーから呼びかけるように、サッカー協会から言われています。
Jクラブでは小さい頃に私たちが行っていた準備体操やラジオ体操は練習前に行なっているように働きかけ、ウォーミングアップではバリスティックやダイナミックを行い、単関節→多関節→上半身と下半身の連動したものと動かす関節を増やしていきます。
バリスティックストレッチを中心に上肢と下肢を連動させたストレッチを行なっています。
ストレッチの部位としては足関節、膝関節、股関節に加えて、上半身のストレッチも行います。
上半身の可動域、特に肩甲骨・胸椎・胸郭の可動性を改善することで下半身の域を改善することができます。
股関節の可動域改善
フロッグストレッチ 内旋-内転
足の内側が下になるようにして足を開き、股関節を前方に移動します。身体のラインを保ちながら股関節を後ろ方向に引いていきます。股関節の内側にストレッチ感を感じていれば正解です。
ランジストレッチ 股関節周囲筋群
基本的には股関節の前方の筋肉をストレッチする肢位になります。バリエーションは豊富で、骨盤をより後傾にすることで腸腰筋のストレッチが可能になり、上肢の位置を変化させることで上半身との連動したストレッチを可能にします。
股関節 内旋-外旋
股関節のバリスティックストレッチの1つになります。左右交互に股関節を動かしていきます。筋肉の出力を上げたい場合は、手を地面につけないで行うようにしてください。
股関節 内旋・伸展・外転ー外旋・屈曲・内転
股関節の可動性を上げるエクササイズの1つになります。足が地面のすれすれを通るようにして前後に動かしていきます。上半身の力を使わないのがポイントです。
胸椎の伸展、回旋
CAT &dog
胸椎の伸展‐屈曲+骨盤の前後傾を行うエクササイズになっています。屈曲時にはおへそを覗き込むように背中をまるめ、お尻を引くようにして胸椎の伸展を行っていきます。手の位置を変えずに姿勢を変化させることがポイントです。導入の際には2人1組で行い、姿勢のチェックを行いながら進めていくほうがいいと思います。
マウンテンストレッチ 胸椎伸展-股関節伸展
下肢後面と胸椎伸展のストレッチになります。踵を地面につけることで下肢後面のストレッチになります。手と足の距離が近づくほどにストレッチが強くなりますが、胸椎の伸展運動が出にくくなってくるので注意が必要です。
胸椎回旋 四つ這い、ランジ位
胸椎の回旋運動を行うエクササイズになります。肢位を変えることで股関節に関係してくる筋肉や骨盤の可動性と関係してきます。ランジ位では骨盤が固定され胸椎の回旋動作が出やすいものの、股関節の筋肉が制限をかけることがあります。逆に考えると、股関節の筋肉も一緒にストレッチされてることになります。
四つ這い位では骨盤の可動性が胸椎の回旋に合わせて骨盤が動いてきます。地面についている手を押し込むことで回旋をしている側の逆側の肩甲骨を内に動かすように胸椎の回旋を行うのがポイントです。この2つは目的を明確にすることが必要で、狙いのあったエクササイズを行うことが重要になってきます。
カベブリッチ
自宅で出来るエクササイズになるます。1人だとなかなか負荷をかけられないですが、壁を利用することで胸椎の伸展運動を促します。
自宅で出来るエクササイズになるます。1人だとなかなか負荷をかけられないですが、壁を利用することで胸椎の伸展運動を促します。
まとめ
今回紹介したエクササイズは一般的なものになります。ただ決して簡単なものではなく、1つ1つ丁寧に行うことで得られる効果は大きくなります。股関節と胸椎の可動性を改善することで障害が完全になくなるものではありません。エクササイズで得られる効果をベースに実際の動作に落とし込むことが重要になってきます。また、練習後に行うことで筋肉のストレッチはもちろん、今の身体の状態を把握することにも役立ちます。ぜひ試してみてください。
(経歴)
2013年~2015年 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(ラクビー)
2016年~2018年 パナソニックインパルス(アメフト)
2019年~2020年 FC岐阜(サッカー)
2020年~ 水戸ホーリーホック(サッカー)