『コラム』
- 有限会社ゴルフハウス湘南
- 2023/03/13
ナイスプレーを生み出す5つのステップ③「決断力の磨き方」
ゴルフは、一打一打の積み重ねです。
その一打一打は、すべて「(1)情報収集」→「(2)目標設定」→「(3)イメージ」→「(4)決断」→「(5)実行」の5つのステップを踏んで実行されます。
前回、前々回と2回に渡り「(3)イメージ」についてお話しました。
今回は、次のステップ「(4)決断」について考えてみたいと思います。
「決断」は、「イメージ」から「実行」へとモードを切り替える大事なステップです。
実はイメージで使う脳と、実行で使う脳とは、まったく異なります。
この脳の切り替えスイッチが「決断」なのです。
このコラムを読んで決断力を磨いてください。
決めて絶つべき4つのこと
「決断」は、“決めて断つ”と書きます。
あることを断った上で決めるということですが、何を決めるのかというと、これからの「意識」であったり「行動」であったりです。
そのベースには、明確な「目的」が存在します。
この目的が曖昧だったり、見失ったりしていると、誤った決断をしてしまうこともあるので要注意です。
では、何を断つのでしょうか?それは4つあります。
「迷い」と「不安」、「不信感」、そして「逃げ道」の4つです。
まずは「迷いを断つ」について解説します。
ゴルフでよくあるのは、使用するクラブの番手に迷うケースでしょう。
6番で打つべきか、7番で打つべきか・・番手に迷うことは多々あります。
ショットを放つとき、残りの距離や高低差、ボールのライ、風の状況といった情報を収集し、どう攻めるべきかを判断し、使用する番手を決めます。
そして決めたら迷ってはいけません。
迷いがあるうちは決断したとはいえず、決断ができていないうちは、アドレスに入るべきではないのです。
次に「不安を断つ」についてです。
ミスショットに対する恐れや、判断が間違っていたら・・といった「不安感」は一掃しなければなりません。
本コラムでもお伝えしてきたように、「不安」はネガティブな感情で心が揺らぎ、ノンフローを引き起こします。
ノンフローとは、応用スポーツ心理学の言葉で、物事のパフォーマンスが低下するココロの状態です。
この状態では、ナイスショットはまず期待できません。
一方、物事のパフォーマンスが向上するココロの状態がフローです。
フローとノンフローに関しては過去のゴルフコラム(下記)に詳しく解説していますので、是非お読みください。
(タイトルをクリックするとご覧いただけます)
- こどもに戻れば、ゴルフはグンと上手くなる (Citta 2022/11/14掲載)
- 「ごきげんゴルフ」を実現する2つの脳とは? (Citta 2022/11/28掲載)
- 「ごきげんゴルフ」を実践する、とっておきの方法 (Citta 2022/12/12掲載)
3つ目は「不信感を断つ」です。
不信感は、言い換えると「自信のなさ」です。
「自信」とは、自分の価値や能力を信ずること。自己を信頼する強いココロです。
自分の判断に対して自信を持ち、一心不乱に突き進むことが大切です。
根拠のない自信でも結構です。
自信のないショットは、まず間違いなくミスショットになってしまうので要注意です。
最後に「逃げ道を断つ」です。
例えば、「バンカー越えでピンをデットに狙う!」と決めたとしましょう。
そうしたら、「やっぱり花道に打っておいた方が無難かな・・」といった考えは、排除しなければなりません。
そのような思考は「逃げ道」です。
逃げ道があると、やはり心が揺らぎ、中途半端になります。
中途半端になると、大体結果も中途半端になってしまいます。
決断力を高める5つのポイント
では次に、「決断」をするときの5つのポイントをお話ししましょう。
【ポイント1】直感的にスパッと決める
いわゆるフィーリングです。これは以外と信頼できるものです。
グリーン方向に大きな木が立ちはだかっているシーン。
木の右からフックで攻めようか、左からスライスで右に回してこようか、はたまた低いボールで木の枝の下を抜いていこうか・・と、色々な攻め方が考えられますが、このような時、最終決定は直感に委ねましょう。
どこが安全でどこが危険なのか、ホール全体の状況やグリーンの状態など、情報収集をしっかり行うことは必要です。
その上で、最終的には直感で決めることが大切です。
「何となく行けそうだ」と根拠のない理由でもOKです。
あれこれ考えず、決めるときにはスパッ!と決めましょう。
【ポイント2】楽観主義でOK
仮に誤った決断をしたとしましょう。
しかし、そのことが原因でこの世が終わることはありません。
命を取られることもありません。成るように成るものです。
肩の力を抜いて気楽にいきましょう。
その方が、思考力が向上し、良い決断ができるものです。
【ポイント3】時間をかけない
決断するときは、うだうだ時間をかけないことが大切です。
元々、脳はネガティブ思考です。
人間は平均すると1日に5~6万回は思考し、そのうち70%がネガティブ思考だといわれています。
つまり、1日に3.5~4.2万回は「イヤなこと」「嫌いなこと」「困ったこと」と考えているのです。
このネガティブ思考は、予めマイナスなことを予測し、それらを回避するための防衛本能からくるものです。
大通りを通るのは危険だと思えば、大通りを避けて別の道を通ろうとするわけです。
よって時間をかければかけるほど、ネガティブ思考がめばえ、せっかく排除した恐れや不安が再度湧き出てしまいます。
そうならないうちに、時間をかけずにサッサと決めましょう。
【ポイント4】一番大切なモノは?
一番大切なモノ(コト)、イコール「本来の目的」です。
これを見失ってはいけません。
ゴルフの場合、“できるだけ少ない打数でカップに入れる”が本来の目的です。
そのことを見失い、例えば、単に飛ばすことだけを優先させた決断をすることは、本末転倒な結果を招くので要注意です。
とはいえ、飛ばすことを優先したゴルフを否定しているわけではありません。
スコアにはこだわらず、ガンガン飛ばすことを目的としたラウンドも勿論OKです。
人それぞれのスタイルでゴルフを楽しみましょう。
【ポイント5】自分の決断を信じる
昔から「信じる者は救われる」といいますが、信じることで決断したことを成し遂げるエネルギーが沸くものです。
ゴルフでも、自分の決断が間違いではないと信じてプレーするのと、そうではないのとでは、結果に大きな差が生じます。
そもそも、自分の決断を疑っているうちは決断したとはいえません。
何故なら、疑っているうちは「迷い」も「不安」も断っているとはいえないからです。
決断とは、決めて断つものです。
迷いや不安は一掃し、自信を持って決断しましょう。
いかがでしょうか?
ゴルフには決断力が求められます。
これはビジネスや生活でもまったく同じではないでしょうか。
逆にゴルフによって、決断力を磨くことができます。
よくゴルフは人生の縮図だといわれます。
恋愛や結婚、そしてビジネス、外食時のメニュー選び・・人生において「決断」を迫られることは多々あるでしょう。
是非ゴルフを通じて決断力を磨いてください。
次回のコラムもお楽しみに。