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『コラム』

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有限会社ゴルフハウス湘南
2023/03/29

ナイスプレーを生み出す5つのステップ④「何も考えないからナイスショット」

ナイスプレーを生み出す5つのステップ④
 

ゴルフの一打一打は、すべて「(1)情報収集」→「(2)目標設定」→「(3)イメージ」→「(4)決断」→「(5)実行」の5つのステップを踏んで行われます。

これがナイスプレーを生み出す「定石」(最善のステップ)です。

この定石を踏まずにショットに挑んでも、けして良い結果は得られません。

逆に定石を身につけると、ショットのクオリティが格段に高まります。

今回は、この「5つのステップ」についてお伝えしているシリーズの最終回です。

これまでのおさらいと、最後のステップ(5)「実行」について、脳科学の観点からお話しします。

情報収集と目標設定

ステップ(1)「情報収集」では、五感や体性感覚を駆使して行います。

五感はご存じの通り、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚(皮膚感覚)の5つです。

特に視覚はゴルフプレーでは重要で、視覚による情報が80%以上を占めるといわれています。

ナイスプレーを生み出す5つのステップ①
 

風は聴覚や皮膚感覚で感じ取ることが多いです。

臭覚では空気の匂いで湿度を感じることができます。

味覚はゴルフプレーではあまり使わないかも知れません。

体性感覚は、少々聞きなれない言葉かも知れませんがとても重要です。

体性感覚とは、皮膚や関節、腱、筋肉などにある受容器によって感じる感覚で、痛覚や温度感覚、位置感覚、重量感覚、平衡感覚などがそれです。

バックスイングの腕の位置を目で見なくても把握できたり、クラブの重さを手元の感覚で感じ取ったりするのは、この体性感覚です。

傾斜面での傾き度合いを把握するのも体性感覚です。

ナイスプレーを生み出す5つのステップ④
 

主に内耳にある三半規管や、足裏の感覚を駆使して感じ取ります。

このようにして得られた情報を基に、ピンまでの距離や高低差、ボールのライ(状態)、風の向きや強さ、バンカー等の障害物の有無などの情報を収集し、どう攻めていくかを判断する材料にします。

 

次にステップ(2)「目標設定」です。

ここでは、ステップ(1)「情報収集」で得られた情報を基に、これから放つショットの目標を設定します。

ナイスプレーを生み出す5つのステップ④
 

目標はできるだけ具体的でなければなりません。

ここでのポイントは、うまくいかない可能性も考えて、多面的に、かつ悲観的に考えるということです。

例えば、あるホールは、左サイドは広くて安全だが、右サイドがOBだとしましょう。

このようなホールでは、打球がスライスして右に大きく曲がってしまうと、OBになるリスクが高まります。

ですから、ここでは絶対に右には飛ばない打ち方をしなければなりません。

ある程度ボールコントロールができる上級者であれば、意図的に左に曲がるフックボールを打ち、右に飛ぶリスクを回避します。

それがまだできない初心者の場合は、最初からフェアウェイの左を狙うなど、多少右に曲がってもOBにはならないルートで攻めていきます。

「真っすぐ飛ぶだろう」と楽観的に考えるのではなく、「曲がるかも・・」と悲観的に考え、例え曲がったとしてもリスクは回避できるよう攻めるルートを決め、どこをどう狙うのかを具体的に目標設定していきましょう。

イメージと決断

次に、ステップ(3)「イメージ」と(4)「決断」のおさらいです。

「イメージ」のポイントは、リアル&ポジティブです。

ナイスプレーを生み出す5つのステップ④
 

これは「一度成功したことだ」とポジティブに“脳をだます”こと、そして「VAKE」を駆使してよりリアルにイメージします。

「VAKE」とは、視覚(Visual)、聴覚(Auditory)、体感覚(Kinesthetic)、そして感情(Emotion)です。

「決断」のポイントは、直観に委ね、うだうだ時間をかけずにスパッと決めることです。

そしてここでは楽観主義でいきましょう。

仮に失敗しても「成るようになるさ」で結構です。

目標設定では悲観的に考えるので真逆です。

「イメージ」と「決断」に関しては、過去の前回までのコラムで詳しく述べましたので、そちらをお読みください。
(タイトルをクリックするとご覧いただけます)

 

無意識スイングのすすめ

さて、いよいよ最終ステップ(5)「実行」についてお話ししますが、ここでクイズです。

ナイスプレーを生み出す5つのステップ
 

上の写真は、脳の働きを可視化したものです。

赤や黄色で示されたところが、脳が活発に活動していることを示しています。

さて上下2枚の写真はどちらがプロのものか分かりますか?

   

答えは下の写真です。

プロはショットの際、「何も」考えずにスイングしていることが分かります。

「実行」における最大のポイントは、あれこれ考えず「無心」で行うことなのです。

人間の脳の機能に「逐次処理」と「並列処理」があると、前回のコラム(2/27掲載)でお伝えしました。
⇒ナイスプレーを生み出す5つのステップ③「決断力の磨き方」

逐次処理は、意識して脳を働かせて行う処理で、同時にひとつのことしか処理できません。

一方、並列処理は、無意識での脳の働きで、同時に複数の処理ができます。

人間のカラダには、約600あまりの筋群があります。

そして、ゴルフスイングは全身運動です。

一回のスイングで、600あまりの筋群のほぼ全てをフルに使います。

とても逐次処理では処理しきれません。

バックスイングで肩を90度回して、左腕を伸ばしてここまで上げて・・とあれこれ考えながら練習をしている人を見かけますが、これではかえってギコちなく、スムーズに振れなくなります。

わざわざ自分で自分をヘタにしているようなものです。

また人からあれこれ指摘され、それを意識したらかえって打てなくなった、という経験をされた人も少なくないと思います。これも同じ理由です。

ゴルフスイングは“無意識に行うべき”なのです。

あれこれスイングを考えるとヘタになるもう一つの理由が、運動を司る脳の部位が異なる点にあります。

運動は、脳の中の大脳基底核という所と小脳が司っています。

大雑把な運動のコントロールや単純な運動は大脳基底核が担い、小脳は、細かい動きの調整や視覚や聴覚といった感覚情報を統合して、スムーズな運動を実現させています。

ナイスプレーを生み出す5つのステップ
 

反復練習によって「カラダに覚え込ませる」という作業は、小脳にメモリーさせることに他なりません。

一度、運動が小脳にメモリーされると、意識して思い出す必要がなく、しばらくその運動をしなくても、また齢を取っても忘れる(できなくなる)ことはありません。

一方、思考や意識は大脳皮質が司っていますが、なまじ運動を意識すると、小脳の働きを大脳が妨げてしまい、小脳が筋肉に正しく指令を出すことができなくなります。

よって、あれこれ考えることで、本来できるはずの運動が、できなくなってしまうのです。

悲観的に準備し、楽観的に行動する

これは元々孫子の兵法書に書かれている教えです。

この教えはゴルフにおいても全く同じです。

ナイスプレーを生み出す5つのステップ
 

ステップ(2)の「目標設定」では、曲がるかも・・距離が足りないかも・・と、起こりうるあらゆることを悲観的に想定し、リスクヘッジしておくことが大切でした。

その後、(3)「イメージ」→(4)「決断」を経て、いざショットを打つ(5)「実行」の際には、「必ずできる」と楽観的に考えてアドレスに入ることが肝要です。

これが孫子の兵法、「悲観的に準備し、楽観的に行動する」に通じる考え方です。

ところがコースプレーの際、この真逆をやっている人が多いのではないでしょうか?

打球が曲がることを想定せず、楽観的にフェアウェイの真ん中を狙っている人。

グリーン手前には深いバンカーがあるにもかかわらず、闇雲にグリーンやピンの方に向かって打とうとしている人。

そしていざ打つときになって、「ダフったらどうしよう」、「バンカー入れたらどうしようと」と悲観的な思考が頭をよぎっている人。このような思考は心をノンフローにし、本来の実力を発揮できないものにしてしまいます。

そして調子が悪くなると、バックスイングがどうとか、腰のリードがどうとか、あれこれ考えながらスイングし、余計に結果を悪くし、泥沼に陥っていくわけです。

ご自身のプレーを振り返り、孫子の兵法を思い出して改善していただけたらと思います。

 

いかがでしたでしょうか?

「ナイスプレーを生み出す5つのステップ」では、それぞれのステップでの正しい考え方をお伝えしてきました。

是非コースラウンドで実践し、ナイスプレーを連発してください。

ナイスプレーを生み出す5つのステップ
 

次回のコラムもお楽しみに。

 

sunmed


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