『コラム』
- 有限会社ゴルフハウス湘南
- 2023/04/12
パット数を減らし、スコアアップを図る意外な方法
春たけなわです。
桜前線も北に向かって移動をはじめ、4月は多くの会社が新年度を迎えます。
フレッシュな新入社員が入ってきたり、異同や転勤があったりと、変化の多い月となります。
本コラムも内容をガラリと変え、パッティングについてお話しします。
パッティングは各ホールの締めくくりであり、カップインというゴルフの目標を達成するための詰めの作業です。
もちろん、前回までにお伝えしてきた、ナイスプレーを生み出す「5つのステップ」は、パッティングでも例外ではありません。
このことも絡めながらパッティングのポイントをお伝えしたいと思います。
距離感を向上させる「マイ基準」
スコアメイクで最も重要なのがパッティングです。
そしてまた、脳をフルに活用するものパッティングといえます。
ドライバーでさえ18ホールすべてでは使いませんが、パッティングはチップインやホールインワンでもない限り、毎ホール必ず行います。
ショットが多少左右に曲がったり、多少当たりが悪かったりしても、場合によってはリカバリーすることも可能で、即1打プラスになることはありません。
しかしパッティングに関しては、入らなければそれで1打プラスです。
つまりパッティングを上達させれば、即スコアアップにつながるということです。
コースラウンドを経験すると、「ここのグリーンは速い」とか「重い」といった表現をよく耳にします。
グリーンの芝を短く刈り込むなど、ボールがよく転がる状態を「速い」といいます。逆にあまり転がらない状態を「重い」と表現します。
コース経験のない人はピンとこないかもしれませんが、グリーンの状態はコースによって全く異なります。
グリーン面の整備の仕方や芝の刈り込み方、そして天候などによっても大きく変わってきます。
晴天続きでグリーン面が乾いていたら早くなりますし、雨が降って地面に水を含んでいるときは重くなります。
植物の成長が早い春や夏では芝も伸びやすく、朝のスタート時と夕方のラウンド終盤ではグリーンの速さが変わってきます。
パッティングでまず大切なことが、このグリーンの状態を把握し、狙った距離が打てるようにすることです。
コース経験の少ない初心者にとって、この狙った距離を打つというのが至難の業ですが、それにはコツがあります。
それは自分なりの“マイ基準”を作ることです。
行き当たりばったりの曖昧な感覚ではなく、きちっとした基準を設けることで狙った距離が打てるようになるだけでなく、脳の活性化にもつながります。
マイ基準を作るにはコース経験を積むのが一番ですが、必ずしもその必要はありません。
自宅のカーペットで十分でもできますし、いつも通っている練習場の練習グリーンなどでも良いでしょう。
その方法は、3mでも5mでも良いので、まず一定の距離を決め、例えば自宅のカーペットの3mなら完璧に打てる、という状態にしておきます。
これがあなたの基準です。
そして実際にコースにでたとき、基準である3mを打つ感覚でパッティングした結果、もし6m転がったら「倍速の速いグリーン」となり、1.5mしか転がらなかったら「半分しか転がらない重たいグリーン」となります。
このマイ基準を設けることで、パッティングの距離感は格段によくなるので、是非やってみてください。
パッティングでも重要な情報収集
パッティングの距離感の基準ができたところで、次に大切なことが、5つのステップの中の第1ステップ「情報収集」です。
グリーンの傾斜や芝目、地面の固さなど、多くの情報をつぶさに収集し、グリーンの状態がどうなのかを把握することがスコアメイクのカギとなります。
情報収集のポイントは、誰よりも早くグリーンに到達し、情報を得るために必要な“時間を作る”ことです。
あなたより先にパッティングを行う人がアドレスに入っていたら、周りの人は動いてはいけませんし、できるだけ打つ人の視界に入らないように配慮しなければなりません。
そのような状況では、グリーンの状態をくまなくチェックすることはできません。
ですから、グリーンでの情報収集は、他のプレーヤーがグリーンに来るまでの時間に行うことが望ましいのです。
いち早くグリーンに到着し、情報収集のための時間を確保できれば、グリーンの回りを自由に動き回ることもできますし、自分のボールとカップまでの距離を歩測したり、グリーン面の固さ、傾斜や芝目などをチェックしたりすることができます。
またそれに加え、他のプレーヤーは打ったボールの転がりなども見て参考にする時間的余裕も生まれます。
しかし、カートに乗って他のプレーヤーと一緒に行動していたのでは、そのような時間を得ることはできません。
できるだけカートに乗らず、自分の脚で歩いていち早くグリーンに到着するようなプレーを心掛けてください。
歩くことの効能やゴルフの利点については、以前公開した次のCittaコラムをお読みください。
⇒「ゴルフの健康効果①~たくさん歩いて健康増進~」(2022/8/8公開)
パッティングでも大切な身体能力
「身体能力のABC」を覚えていますか?
「A」はアクティベーション(Activation)で動きやすい柔軟な身体、「B」はバランス(Balance)で身体バランスが整った身体、そして「C」はコーディネーション(Coordination)で、身体の各部位が協調しあい、思い通りにスムーズに動く身体です。
「身体能力のABC」については、過去公開のCittaコラムをお読みください。
⇒「ゴルフの上達と健康増進を図る身体能力ABCとは?」(2022/10/24公開)
「身体能力のABC」を向上させれば、飛距離が伸び、ショットの安定性も向上します。
そのことは理解しやすいと思いますが、比較的動きの小さいパッティングになると、バランスや身体能力は二の次・・と考える人は少なくないのではないでしょうか?
パッティングが入らないのは、パッティングのストローク(パターの動かし方)が悪いからだと考え、「もっと手首を固定しなきゃ」「ヘッドアップしてはいけない」「パターを真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出して」・・と、パッティング技術ばかりに注力している人を多く見かけます。
しかしパッティングこそ、歪んだ身体を整え、身体能力を向上させることが大事なのです。
なぜなら、スムーズにストロークするには首から肩にかけての柔軟性は不可欠ですし、安定したパッティングには体幹や下肢の安定が大切で、それにはコアマッスル(体幹を構成する筋肉)や下肢の筋力が不可欠だからです。
感覚能力の向上に不可欠なモノとは?
またパッティングの距離感は、手元の感覚を研ぎ澄し、感覚能力を高めておくことが大切です。
ここでいう感覚能力は、人間に備わっている「体性感覚」を指します。
体性感覚とは、人間の皮膚や筋肉、骨格などから得られる感覚です。
具体的には、手に取ったモノの重さを量る感覚、ボールを放り投げるときの距離感覚、アドレス時のボールとの距離やトップの腕の位置などの位置感覚などがそれです。
対象物を3次元形状として認識する能力もそうですし、体内時計により時間を知りうる感覚も体性感覚です。
この体性感覚を研ぎ澄まし、感じる能力を高めるには、「姿勢を正す」ことが大切になります。
物の重さを手に取って量るとき、無意識のうちに姿勢を正していることにお気付きでしょうか?
近くにある物を手に取り、その重さを量ってみてください。試しに首を傾げたり、背中を丸めたり、姿勢を崩してみてください。
いかがでしょうか?
重さを感じにくいなぁ、なんだか不自然だなぁと感じるでしょう。
感覚能力と姿勢とは密接な関係があるのです。
また情報収集で得たい情報のうち、グリーンの傾斜は、パッティングの良し悪しを決める最も重要な情報です。
ところが、そもそも自身の身体が歪んでいたら、グリーンの傾斜を正しく把握することはできません。
よって正確なラインを読むことも難しくなり、パットが入らなくなります。
例えば、壁に絵を飾るとき、額縁がなかなか水平にならない人がいます。
人に正面から見てもらい、これで水平だといわれても、飾っている本人は「えっ?これで水平?」と思ってしまうのです。
これは、常に身体が歪んだ状態で生活していることで起こる弊害です。
正しい水平感覚がズレているのです。
これと同じ事が、コースラウンドにおいて、グリーン上でも起こっているわけです。
情報収集によってグリーンの状況を把握し、ラインを正確に読むことは、パット数を減らし、スコアメイクする上でとても重要です。
このことは多くのゴルファーが認識していると思います。にもかかわらず、ラインを正確に読むための「歪みのないカラダ作り」には無関心。これでは片手落ちです。
正しい姿勢を獲得し、「身体能力のABC」を向上させるには、やはり運動が不可欠です。
本コラムでも紹介してきたゴルフフィットネスは短時間でバランスを整え、身体能力を高めることができるためお勧めです。
興味のある方は、過去公開のCittaコラムをお読みください。
(タイトルをクリックするとご覧いただけます)
身体バランスを整え、正しくラインを読み、感覚能力を最大限に高めてパット数を減らし、スコアアップを図りましょう。
次回もご期待ください!