MENU

『コラム』

投稿サムネイル
有限会社ゴルフハウス湘南
2023/05/22

意外と知らないゴルフ上達の切り札「ニューロ・マスキュラー・システム」

ゴルフの上達は、スイング技術だけを追い求めても片手落ち。

心技体を三位一体で向上させる必要があります。

意外と知らないゴルフ上達の切り札「ニューロ・マスキュラー・システム」
 

心(=メンタル)は、脳の正しく働かせる必要があり、本コラムではそれを脳のチカラ「脳力」と表現し、詳しくお伝えしてきました。

体(=フィジカル)は、身体能力のABCと表現し、どのような身体的能力が必要であるかを述べてきました。

その身体的能力を担うのは、いうまでもなく筋肉です。

 

脳と筋肉、この2つをつなぐもの、それは「神経」です。

メンタルトレーニングなどで脳力を向上させ、かつ筋トレやストレッチなどで筋肉の機能を向上させると共に忘れてはならないこと、それは「神経と筋肉との連携を強化する」ということです。

これには次の2つの意味があります。

ひとつは脳が出した指令が、神経を介して筋肉に伝達されるスピードを上げるということ。

もうひとつは、その指令をより正確に筋肉に伝えるということです。

このことを、我々は「ニューロ・マスキュラー・システム」と呼んでいます。

ニューロ(神経)とマスキュラー(筋肉)との連携システムです。

一般的に、スポーツジムなどで行われている筋力トレの多くは、見た目の筋肉を鍛えることに重きを置き、ニューロ・マスキュラー・システムを向上させることは疎かになっているのではと感じます。

意外と知らないゴルフ上達の切り札「ニューロ・マスキュラー・システム」
 

これではゴルフの上達に役に立つ筋肉とはいえません。

今回はこの「ニューロ・マスキュラー・システム」や「神経」についてお話しましょう。

脳と筋肉の連携を強化するには?

イップスという現象があります。

メンタルなことなどが原因でスポーツの動作に支障をきたし、自分の思い通りのプレーができなくなる運動障害のことをいいます。

意外と知らないゴルフ上達の切り札「ニューロ・マスキュラー・システム」
 

ゴルフではパッティングで起こることが多いのですが、イップスは、ニューロ・マスキュラー・システム、脳と筋肉との連携が上手くいっていない典型的な例です。

ニューロ・マスキュラー・システムは、言い換えると「思ったとおりに正確に、スピーディかつスムーズに身体を動かす能力」です。

この能力は、身体能力のABCでお伝えしたCoordination(コーディネーション能力)に他なりません。

そしてこれを向上させるためにすべきこと、それはABCのBalance(バランス)を整え、正しい姿勢を獲得することです。

「身体能力のABC」に関しては、Cittaに公開された次のコラムで詳しく解説しています。

是非お読みください。
⇒◎ゴルフの上達と健康増進を図る身体能力ABCとは?(2022/10/24公開)

 

私が主管するゴルフスクールで取り入れている運動プログラム「ゴルフフィットネス」は、楽体(らくだ)やパワーバランスといった運動補助器具を使って身体バランスを整えることから、ニューロ・マスキュラー・システムの向上につながります。

意外と知らないゴルフ上達の切り札「ニューロ・マスキュラー・システム」
意外と知らないゴルフ上達の切り札「ニューロ・マスキュラー・システム」

写真左:楽体(らくだ) 写真右:パワーバランス

 

そのことで、脳と筋肉との連携を強化しているのです。

当ゴルフスクールのお客様は皆、ゴルフフィットネスで身体能力が向上し、スイングがやさしくなることを体感されています。

その要因のひとつに、ニューロ・マスキュラー・システムの向上があったのです。

イップスは、ゴルフフィットネスなどのコンディショニングでニューロ・マスキュラー・システムを向上させ、脳と筋肉との連携を強化させれば、克服することができるはずです。

メンタル不調は、バランスの崩れが原因のひとつ。

健全なメンタルは、バランスの良いカラダから生まれます。

まさに「健全な精神は健全な肉体に宿る」というわけです。

「ゴルフフィトネス」に関しては、Cittaに公開された次のコラムをお読みください。

⇒◎ゴルフトレーニングで若返る!(2022/06/27公開)
⇒◎潜入捜査!ゴルフで健康経営!?どんな指導が受けられるのか?(2022/07/25公開)
※この記事では「ゴルフエクササイズ」と表現しています。

神経伝達速度を速めるトレーニング

ニューロ・マスキュラー・システムが加齢により低下すると、物事を認知してから行動するまでの時間が長くなります。

高齢者のドライバーが、危険を察知してからブレーキを踏むまでの時間が長くなるという話を聞いたことがあると思います。

脳は危険だと判断するとブレーキを踏むように脚に指令を出し、脚の筋肉が反応してブレーキを踏みます。

この時間を20歳代の人と60歳代の人とで比較すると、時速60㎞で走行している場合、60歳代の人は20歳代の人が車を止めた位置よりも20~30m進んでしまうそうです。

加齢でニューロ・マスキュラー・システムが弱くなり、反応速度が遅くなっているのです。

その他にも、高齢の方は温痛覚という温度や痛みを感じる皮膚感覚が鈍くなります。

また高齢になるとおしっこが出にくくなりますが、これも膀胱と脳との間の神経伝達の速度が遅くなることで起こる症状です。

このように加齢とともにニューロ・マスキュラー・システムが低下するのは、宿命なのかも知れません。

しかし、神経×筋肉系のトレーニングによって低下の速度を抑えることは可能です。

それは、パワーバランスをできるだけ早く振るトレーニングです。

一番短い黄色いパワーバランスやニョイボウといったアイテムを使うと効果的です。

意外と知らないゴルフ上達の切り札「ニューロ・マスキュラー・システム」
 

単に速く振るだけでも効果はありますが、パワーバランスをゆっくり振ったり、できるだけ素早く振ったりを交互に繰り返すとより効果的です。

これは、有酸素運動と無酸素運動を交互に行う「サーキットトレーニング」です。

このトレーニングにより、神経伝達速度が向上するだけでなく、ヘッドスピードが向上し、飛距離アップが望めます。

また、成長ホルモンの分泌が促進されるので、ダイエットにも効果的です。

その詳しい方法やメカニズムに関しては、Cittaに公開された次のコラムをお読みください。
⇒◎「ゴルフで痩せる!」ゴルフとダイエットとの関係(2022/12/28公開)

自律神経系のバランスが大事

神経について、もう少し詳しくお話ししましょう。

神経には、「体性神経系」「自律神経系」の2つがあります。

体性神経系は、その人の意思で動く神経です。「ニューロ・マスキュラー・システム」はこちらです。

一方、心臓や胃腸の働き、汗をかくなどの生理現象は、自分の意志とは関係なくカラダが勝手に動かしています。

これらの働きは自律神経系に含まれます。

この自律神経系を向上させることは、心身ともに健康を維持するためにとても大切です。

では自分のカラダの中で、勝手に機能している自律神経系を向上させるには、どうすればよいのでしょうか?

自律神経系は、交感神経と副交感神経に分けられます。

アドレナリンが沢山分泌され、アクティブに活動している状態が、交感神経が優位の状態です。

逆に、睡眠時や静かにリラックスしている状態、癒しモードに入っているときは副交感神経が優位のときです。

そして、心臓や胃腸の働きなど自律神経系は、副交感神経優位のときに整えられ、向上するといわれています。

ですから、副交感神経が優位になっている時間を多く作ることが必要です。

サウナに入って心地よくなることを「整う」と表現しますが、正にこれは自律神経が整った状態です。

 

ゴルフで良いパフォーマンスを発揮するには、「集中」と「リラックス」とを共存させることが大切です。

集中し過ぎると視野が狭くなり、多元的な情報収集ができなくなったり、緊張感が高まり過ぎて、冷静な判断ができなくなったりします。

気合が入り過ぎて思わずリキんでミスショット!ということも起きやすくなります。

意外と知らないゴルフ上達の切り札「ニューロ・マスキュラー・システム」
 

一方、リラックスし過ぎると適度な緊張感もなくなり、なぁなぁになってしまいます。

どちらも良いパフォーマンスを発揮することは難しくなります。

集中しているときは交感神経が優位に働いている状況で、リラックスしているときは副交感神経が優位になっている状況です。

よって集中とリラックスを共存させるには、自律神経のバランスが大事になります。

交感神経と副交感神経系、どちらかに偏り過ぎても良くないのです。

自律神経を整える手っ取り早い方法

とはいえ、ゴルフでは緊張するシーンがとても多く、交感神経が優位に働くことが多くなります。

池越えやバンカー越えで緊張したり、滅多にないバーディパットに興奮したり、同伴プレーヤーのナイスショットに触発されて気合が入り過ぎたり・・です。

よって副交感神経優位の時間を意図的につくる必要があります。

その手っ取り早い方法が、瞑想と深呼吸です。

瞑想するといっても、ショットのたびに座禅を組んだり、ヨガをしたりするわけにはいきません。

ですから、ほんの数秒目をつぶり、深呼吸するだけで結構です。

意外と知らないゴルフ上達の切り札「ニューロ・マスキュラー・システム」
 

それでも副交感神経を優位にし、自律神経系を整えるには十分な効果が期待できます。

因みに、ゴルフフィットネスの運動プログラムのひとつ「楽体(らくだ)運動」は、ヨガの要素を取り入れています。

“らくだ”というネーミングもヨガの“ラクダのポーズ”からきています。

よって楽体運動をゴルフヨガとも呼んでいます。

運動補助器具を使うことで、本格的なヨガよりも手軽に実践できる楽体運動は、自律神経系のバランスを整える有効なツールのひとつといえるでしょう。

 

ゴルフに限らず、交感神経優位の時間が多いのは、日常生活でも同じではないでしょうか?

アフターコロナで会社に出勤する機会が増えた今、朝起きて急いで朝食を食べ、慌ただしく電車に乗り、職場で夜遅くまで忙しく働く・・・交感神経優位の時間の連続です。

寝ている時間以外は、ほとんどの時間を交感神経優位の状態で過ごしていませんか?

現代のようなストレス社会では、どうしても交感神経優位の状態が続いてしまいます。

ですから、副交感神経優位の時間を意図的につくる必要があるわけです。ゴルフと一緒です。

 

先程述べた瞑想と深呼吸は、忙しい仕事の合間に手軽にできるのでお勧めです。

パソコンに向かって仕事をする前、車を運転する前、大事なプレゼンの前など、ちょっとした合間の時間を利用して、大きく深呼吸し瞑想してください。

時間があれば1~2分瞑想するのがベストですが、ほんの十数秒でも結構です。

気持ちを落ち着かせ、目を閉じてゆっくり深呼吸すれば、身体がリラックスして副交感神経優位の状態になります。

瞑想するのが難しい場合は、2~3回深呼吸するだけでも良いでしょう。

ゴルフのショットの前でも仕事の合間でも、瞑想と深呼吸で副交感神経を優位に保てば、ミスショットを減らせるだけでなく、自律神経系の働きを整え、ストレス社会に打ち勝つことにも役立ちます。

是非実践してみてください。

意外と知らないゴルフ上達の切り札「ニューロ・マスキュラー・システム」
 

コラムを最後までお読みいただきありがとうございます。

皆さまからのゴルフの上達方法や、悩み事など疑問、質問にもお答えしていきます!

下記のCitta問い合わせフォームより、お問合せください!
⇒Cittaお問合せフォームページ

皆さまからのお問合せをお待ちしております!

 

sunmed


《Citta協定団体》 (50音順)

《主なCittaパートナーズ一覧》 (50音順)

すべてのパートナーズはこちら>>